JALが国内線航空券の予約開始日を330日前に変更します。これまでの2カ月前から、大幅に前倒しです。ANAは355日前となっていて、大手航空会社は、そろって1年近く前から国内線予約が可能になります。
2019年9月10日から
JALが国内線航空券の予約開始日を変更すると発表しました。これまでは2カ月前の同日に発売開始でしたが、2019年9月10日午前9時30分から、予約開始日を330日前とします。
9月10日に予約受付を開始するのは、2020年8月5日までの搭乗分です。つまり、2020年の東京オリンピック(7月24日~8月9日)期間のチケットも発売開始となります。
割引運賃や特典航空券も含めて、ほぼ全ての運賃が330日前発売となります。先得割引やスーパー先得、ウルトラ先得などの「先得運賃」は、これまで毎年1月と8月のダイヤ確定時に一斉に発売を開始していましたが、2019年9月10日以降は330日前に統一します。
このため、先得運賃の一斉発売は、2019年8月下旬に発売する冬ダイヤ(10月27日~20年3月28日)が最後となります。
取消手数料も変更
予約期間が広がることにともない、取消手数料の一部も変更します。
現在の取消手数料は、購入後、搭乗日55日前までは、どんな航空券でも無料です。ただし、払戻手数料430円が必要です。これは、今後も変更ありません。
搭乗日54日前以降は、先得割引と乗継割引28は運賃の50%が取消/払戻手数料で、これも変わりません。予約変更が可能なノーマル運賃は予約便の出発前なら取消手数料が無料で、払戻手数料430円のみ必要です。これも変わりません。
取消手数料に変更があるのは特便割引と乗継割引7で、搭乗日54日前以降は、運賃の5%が取消/払戻手数料となります。これまでは路線区分により500円~4,000円でした。
2カ月前発売だったが
国内線の予約開始日については、少し前まで、2カ月前発売が一般的でした。運航スケジュールが確定してからの発売に限ってきたからです。
ところが、2017年度に国土交通省が、国内線航空券について、スケジュール確定前の販売ルールを明文化したのを機に、国内航空会社は早期販売に舵を切り始めました。
まず、ANAが2018年10月搭乗分から、搭乗日の355日前の発売開始に変更。ANAとコードシェアするエアドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーといった中堅航空会社も、半期ごとの一斉発売に変更しました。
JALは、その後も2カ月前発売を維持してきましたが、今回、330日前発売と大幅に前倒しすることになりました。ANAと足並みを揃えるとまではいきませんが、1年近く前から国内線航空券を購入できるようになります。
スカイマークは、以前から3カ月前の一斉発売で、現時点では変更の発表はありません。
旅行者はどうすれば?
大手航空会社の航空券が1年近く前に発売されるようになることに関し、旅行者はどう対応すればいいのでしょうか。
ポイントは、国内線航空券に関しては、どんなに早期に購入しても55日前まで取消手数料はかからない、ということです。
そのため、旅行者としては、ピーク時に旅行を予定しているなら、高い運賃であっても、とりあえず予約して席を押さえておく、という方法は有効でしょう。
早く買ったからといって、安いチケットを買えるとは限りません。ただ、高い運賃で買っても、55日前までは払戻手数料だけでキャンセルできますから、後で格安航空券が手に入れば、高い運賃のチケットをキャンセルすればいいだけです。
ということで、年末年始やゴールデンウィークといった、ピーク時に国内の飛行機に乗る気があるのなら、航空券の購入はお早めに、ということでしょうか。(鎌倉淳)