JR各社の夏の臨時列車は、通常は5月中旬に発表されます。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、プレスリリースの発表がありませんでした。ただ、市販の時刻表6月号には掲載されていますので、計画されていた「JR夏の臨時列車」の内容を知ることはできます。注目の「ムーンライトながら」の記載はありませんでした。気になる列車について見ていきましょう。
「WEST EXPRESS銀河」は週2往復
まずはじめに、2020年の夏の臨時列車について、JR各社は運転するかどうか決めていません。新型コロナウイルス感染症の影響が見通せないためです。当記事内の情報は、すべて市販の時刻表から抜粋した運転計画ですが、実際に運行するかはわかりません。あらかじめご了承ください。
2020年夏の臨時列車の最大のトピックスは、「WEST EXPRESS銀河」(京都・大阪~出雲市)でしょうか。117系を改造した、JR西日本の新しい観光列車です。本来は2020年5月8日の運転開始でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により延期となっています。
時刻表6月号に掲載されている運転予定日は6月までですが、すでに9月までの運転計画が発表されていて、主に月金(京都発)水土(出雲市発)の週2往復です。
「ムーンライトながら」は記載なし
もうひとつ注目は、185系で運転されてきた快速「ムーンライトながら」(東京~大垣)でしょう。185系は近い将来の引退が決定しており、「ムーンライトながら」も185系と軌を一にする形で運転終了か、それとも車両を変更してE257系で運転継続するかが注目されています。
最終的な結果はわかりませんが、時刻表6月号には記載がなく、「夏の臨時列車」として運転予定がないことが明らかになりました。
快速「ムーンライトながら」は不定期列車です。不定期列車が運転終了する場合には、JRが引退発表を告知することはほとんどありません。そのため、「ながら」も「発表なき引退」になってしまうのでは、と心配になります。
なお、夜行快速では、「谷川岳山開き」(上野~土合)が7月4日運転として掲載されています。
中央線の「ホリデー快速ビューやまなし」(新宿~小淵沢)は、6月と9月の運転が計画されています。「ナイスホリデー木曽路」(名古屋~塩尻)は6月まで記載があり、7月以降の運転日は掲載されていません。
「サンライズ瀬戸」琴平延長は実施
夜行列車では「サンライズ出雲」(東京~出雲市)は定期列車のみの記載で、昨夏運転された「91号・92号」はなし。
「サンライズ瀬戸」は、9月までの主に金土日に琴平まで延長運転します。これは、正式に延長運転を実施するとJR四国が発表しています。
新型車両の「サフィール踊り子3号・5号」(東京/新宿~伊豆急下田)は、9月までの主に月木金が東京駅発の「3号」、土休日が新宿発の「5号」として運転します。上りは「4号」が月木金土休日の全てで東京行きです。
JR四国の新型観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」(高知~窪川)は、4月18日デビューの予定でしたが、延期されています。時刻表では、主に6月の土休日と、7月の金土休日が運転日に設定されています。
3月に全線復旧したばかりの常磐線では「ひたち91号・92号 相馬野馬追号」(土浦~原ノ町)が、7月26日に設定されています。
JR北海道では、特急「ニセコ」(函館~札幌)が、函館本線山線経由で9月に8日間の運転設定。注目の「ザロイヤルエクスプレス」の北海道クルーズは、駅の窓口でのチケット販売がないため、市販の時刻表に掲載されていません。
これらの臨時列車が幻にならないことを、祈りたいところです。