JR各社から2016年ゴールデンウィークの利用状況が相次いで発表されました。公表内容は各社・各支社ごとに異なりますが、その数字を集めてみると、それぞれの路線・区間のピーク時の利用者数がわかります。それランキングにすることで、各新幹線の利用者数がおおまかに見えてきます。
2016年利用者数ランキングゴールデンウィーク版、まずは、新幹線からご紹介しましょう。
2016ゴールデンウィーク・新幹線利用者数ランキング
1. 東海道新幹線(新横浜~静岡)339.1万人
2. 山陽新幹線(新大阪~西明石)154.4万人
3. 東北新幹線(大宮~宇都宮)131.4万人
4. 上越新幹線(大宮~高崎)114.8万人
5. 山陽新幹線(岡山~広島)113.0万人
6. 東北新幹線(那須塩原~郡山)110.2万人
7. 山陽新幹線(広島~新山口)75.0万人
8. 山陽新幹線(新下関~小倉)66.7万人
9. 北陸新幹線(高崎~軽井沢)61.4万人
10. 山陽新幹線(小倉~博多)60.8万人
11 .東北新幹線(古川~北上)50.9万人
12. 北陸新幹線(上越妙高~糸魚川)31.7万人
13. 九州新幹線(博多~熊本)26.7万人
14. 東北新幹線(盛岡~八戸)24.5万人
15. 山形新幹線(福島~米沢)11.5万人
16. 北海道新幹線(新青森~新函館北斗)10.7万人
17. 九州新幹線(熊本~鹿児島中央)9.5万人
18. 秋田新幹線(盛岡~田沢湖)7.6万人
19. 山形新幹線(山形~新庄)3.2万人
JR各社は利用状況の統計を「年末年始」「ゴールデンウィーク」「夏休み」の3期のみ発表します。当サイトでは、JRの公式ホームページ掲載分のほか、報道各社の地方面に掲載された情報も収集して、「ゴールデンウィークの利用状況」をランキングにまとめてみました。
ということで、上記の数字はJRによって公表された区間旅客数のみをピックアップしてランキングしたものです。そのため、区間の分類が公平でないことを、まずはご理解ください。また、このランキングはあくまでもゴールデンウィーク時期のものであり、通年の新幹線の輸送量と比例するとは限りません。
北海道新幹線は「秋田以上、山形以下」
今回の注目は、2016年3月に開業した北海道新幹線。開業から初めてのゴールデンウィークです。その数字は16位で、秋田新幹線の「盛岡~田沢湖」を上回り、山形新幹線の「福島~米沢」に肉薄しました。
東北新幹線の「盛岡~八戸」の数字が24.5万人で、北海道新幹線が10.7万人ですから、盛岡以北の新幹線旅行者の半分近くが北海道まで足を伸ばした、ということになります。この比率を多いとみるか、少ないとみるかは意見が分かれるでしょうが、筆者は意外に多いと感じました。
「盛岡~八戸」は前年比114 %の大幅増を記録しており、東北新幹線も北海道新幹線の開業効果の恩恵を受けていることはあきらかです。ただ、「大宮~宇都宮」は前年比横ばいですので、開業効果は仙台以北に限られる、という見方も可能です。宇都宮以南はピーク時はほぼ満席ですので、北海道新幹線が開業しても目に見える影響がでにくいのかもしれません。
九州新幹線は激減
九州新幹線の「熊本~鹿児島」の9.5万人は前年比45%減で、ゴールデンウィークの輸送量としては開業後最低となりました。いうまでもなく熊本地震の影響です。「博多~熊本」も前年比18%減と激減しました。
ただ、当初はゴールデンウィーク中の復旧は難しい、と言われた状況でしたから、とにもかくにも運行を再開し、この程度の減少に食い止めたJR九州は、おおいに健闘したといっていいでしょう。(鎌倉淳)