2016年3月ダイヤ改正で、新たに登場するのが青春18きっぷ北海道新幹線オプション券。これまでの「蟹田~木古内間で特急に乗車できる」という特例を廃止するかわりに登場した代替チケットです。
ところが、2016年3月26日以降の新ダイヤでは乗り継ぎが悪く、使いにくいことがわかりました。
青春18きっぷ北海道新幹線オプション券とは
2016年3月26日ダイヤ改正で、JR在来線の津軽海峡線中小国~木古内間は廃止となり、江差線木古内~五稜郭間は道南いさりび鉄道に移管されます。
そのため、青春18きっぷだけで青森~函館間を移動することはできなくなります。この状況に対応し、新たな特例として、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が発売されました。
これは、奥津軽~木古内間で北海道新幹線に乗車でき、木古内~五稜郭間で道南いさりび鉄道を利用できるきっぷで、価格は2,300円です。青春18きっぷと併用した場合にのみ使えます。
青森~函館の乗り継ぎ時刻表
オプション券は、「青春18きっぷで新幹線に乗れる初のきっぷ」として話題にもなりました。では、このきっぷで青森~函館間を旅行しようとする場合、どういう乗り継ぎになるのでしょうか。
2016年3月26日ダイヤ改正の時刻表から拾ってみると、以下のようになります。見やすくするため、途中駅は省略します。
青森→函館
青森06:15→11:13函館(4時間58分)
青森11:01→16:22函館(5時間21分)
青森13:06→20:00函館(6時間54分)
青森15:21→21:24函館(6時間3分)
函館→青森
函館07:04→14:23青森(7時間19分)
函館10:40→16:54青森(6時間14分)
函館13:29→19:40青森(6時間11分)
最短の乗り継ぎが、下りで4時間58分、上りで6時間11分です。津軽線と北海道新幹線の接続も、北海道新幹線と道南いさりび鉄道線の接続も、どちらも悪いため、こうした所要時間になっています。
北海道新幹線開業前の乗り継ぎ時刻表
参考までに、北海道新幹線が開通する前の乗り継ぎダイヤと比べてみましょう。津軽線、特急「白鳥」、江差線を乗り継いだ場合の時刻表です。
青森→函館
青森06:20→09:25函館(3時間5分)
青森08:05→13:33函館(5時間28分)
青森10:38→16:21函館(5時間43分)
青森13:17→17:45函館(4時間28分)
青森16:20→20:10函館(3時間50分)
青森18:14→21:24函館(3時間10分)
函館→青森
函館06:53→09:43青森(2時間50分)
函館10:27→14:42青森(4時間15分)
函館13:23→16:53青森(3時間30分)
函館16:22→19:44青森(3時間22分)
最短は函館→青森の2時間50分。3時間台で行ける乗り継ぎが日に数往復設定されています。
これが、新幹線開業後は、最短でも4時間58分となり、5~6時間台の所要時間が標準的になってしまいます。2,300円も追加料金を取られるうえに、所要時間は大幅に伸びてしまうのです。これでは使にくい、というのが正直な感想です。
いっそフェリーにしてみたら?
青函間にはフェリーも就航しています。値段の安い青函フェリーの場合、青森~函館間が3時間50分~4時間です。青森港が青森駅から徒歩30分、函館港が五稜郭駅から徒歩30分くらいです。
乗船手続にも時間がかかりますので、実際には青森駅~五稜郭駅で6時間くらいみておく必要があります。それでも新幹線オプション券を使った場合とそれほど変わらない所要時間ですし、価格も1,540円(燃油変動分別)と安く付きます。ならば、わざわざ待ち時間の長い新幹線より、いっそフェリーで、という発想もアリでしょう。
新しい黄金ルートは
おすすめは深夜便です。下りの場合、東京駅から上越・羽越線経由で乗り継げば同日中に青森駅に着けますので、さらに2時発の深夜便で函館に渡ってしまえば、翌日夕方には札幌駅に着けます。今後、青春18きっぷで首都圏から北海道に行く場合、これが黄金ルートになると思います。
上りの場合、札幌駅を午後に出て、函館23時30分発の深夜便に乗れば、翌朝青森駅から羽越・奥羽線経由で当日中に東京駅に到着できます。これが上りの黄金ルートでしょう。残念ながら、青春18きっぷで首都圏から北海道へ行く場合、北海道新幹線オプション券はあまり役に立たなさそうです。(鎌倉淳)
※北海道新幹線オプション件の詳細はこちらをご覧ください。
→青春18きっぷ北海道新幹線オプション券