JR東日本の喜㔟陽一社長が、羽田空港と成田空港を結ぶ直通列車の運行を検討していることを明らかにしました。羽田空港アクセス線の開業後、成田空港側の鉄道アクセスが再整備された段階で、両空港を直結する列車の実現を視野に入れます。国土交通省の有識者会議が提言していましたが、社長が公式の場で検討を認めました。
有識者会議が提言
JR東日本は、羽田空港から新橋を経て上野東京ラインへ直通する新線「羽田空港アクセス線(仮称)」の建設を進めています。開業予定は2031年度です。
一方、国土交通省の「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」は、2026年7月13日に公表した最終とりまとめで、「羽田空港アクセス線(仮称)を活用したルートの乗入れの可能性についても検討が望まれる」と記しました。
つまり、国交省の有識者会議が、成田空港と羽田空港を直結する列車の運行を検討するよう提言したわけです。

社長が公式の場で言及
これについて、JR東日本の喜㔟陽一社長は、2026年8月4日に開かれた日本記者クラブでの記者会見で、「成田空港から羽田空港アクセス線を活用して、両空港を直通で結ぶという予想も、成田空港アクセス線が開業するときには、なんとかできないかということで勉強している」と述べました。
成田空港では、2030年代半ばまでに利用者が約1.6倍に増えると予測されており、空港アクセス鉄道の複線化など輸送力強化が計画されています。
喜勢社長の発言は、成田空港側の輸送力強化を前提に、羽田空港アクセス線を活用した両空港直通列車について、JR東日本として検討を進めていることを公式の場で明らかにしたものといえます。
ルートは二つ
羽田空港アクセス線の開業後、成田空港まで直通列車を運行するルートは、大きく分けて二つ考えられます。
一つは常磐線ルートです。羽田空港アクセス線の東山手ルートから上野東京ラインに入り、常磐線で我孫子駅へ向かいます。その後、成田線を経由して成田駅で進行方向を変え、成田空港へ向かいます。

もう一つは京葉線ルートです。羽田空港アクセス線の臨海部ルートからりんかい線を経て京葉線に入り、終点の蘇我駅から千葉駅方面へ折り返し、総武線経由で成田空港を目指します。

ただ、いずれのルートも途中で方向転換が必要となるため、所要時間が長くなるなど実用性には課題があります。
短絡線を整備する?
設備を改良するなら、成田線の成田湯川駅付近から分岐して成田空港へ向かう短絡線や、西船橋駅付近で武蔵野線と総武線を結ぶ短絡線を整備する方法などが考えられます。横須賀・総武線の東京トンネルと羽田空港アクセス線を結ぶ連絡線の建設も、可能性としてはあり得るでしょう。
こうした短絡線が実現すれば、羽田空港と成田空港を方向転換なしでスムーズに結べるようになります。ただ、新線建設には巨額の設備投資が必要です。羽田・成田間の需要だけで採算が取れるかというと、疑問も残ります。
喜勢社長が「なんとかできないかということで勉強している」という慎重な表現にとどめた背景には、こうしたハードルもあるとみられます。
一方で、喜勢社長の発言には、時間をかけて整備するというニュアンスも感じられ、一定の設備投資も視野に入れているようにも受け止められます。となると、いずれかの短絡線の整備の可能性もありそうです。(鎌倉淳)
羽田・成田直通列車に関する検討の詳細については、以下の記事をご覧ください。
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