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ひたちなか海浜鉄道、再構築計画を国が認定。31年春延伸開業めざす

みなし上下分離に

ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸事業について、国土交通省が鉄道事業再構築実施計画を認定しました。これにより、国庫補助を受けられることが確定し、事業着手が確実となりました。2031年春の開業を目指します。

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3.1kmの延伸計画

ひたちなか海浜鉄道湊線は、勝田~阿字ケ浦間14.3kmを結ぶ第三セクター鉄道です。阿字ヶ浦から国営ひたち海浜公園西口まで3.1kmを延伸する計画があります。終点の公園西口のほか、途中の公園南口付近にも駅を設けます。

阿字ヶ浦~公園南口付近の1.4kmが第1工区、公園南口付近~公園西口間が第2工区とされていて、このうち第1工区を先行して着手する予定です。

ひたちなか海浜鉄道

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2031年春の開業目指す

延伸は、国の鉄道事業再構築事業という制度を利用して実施する計画で、ひたちなか海浜鉄道は2025年10月31日に再構築実施計画を申請していました。

この計画が、12月22日に国土交通省により認定され、再構築の実施が決まりました。再構築の実施により、社会資本整備総合交付金という補助金を受けることができ、事業着手が確実となりました。

全延伸区間で見込む事業費は126億4000万円で、このうち第1工区が59億2300万円です。今回の計画認定を受け、ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道では、2026年度から詳細設計、地質調査に着手し、2031年春に公園南口までの開業を目指します。

ひたちなか海浜鉄道延伸事業
画像:ひたちなか海浜鉄道

 
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みなし上下分離

今回の再構築実施計画では、事業構造をみなし上下分離方式に変更します。

そのうえで、利便性向上施策として、10年間で126.5億円を投資します。大半が国営ひたち海浜公園西口付近への延伸に使われ、阿字ヶ浦駅には列車交換設備を整備します。他にキャッシュレス券売機の導入、那珂湊駅のトイレ洋式化も対象となっています。

設備更新・維持修繕として、10年間で21.8億円を投資します。レールを重軌条化したり、老朽化した道床・分岐器や、信号警報器など踏切保安設備を更新します。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。