テレビ東京系列の「テレ東系 旅の日~充電旅&バス乗り継ぎ旅で7時間SP~」が放送されました。このうち、ローカル路線バス乗り継ぎ旅の部分について、正解ルートを検証してみましょう。
「充電」とのコラボ番組
「テレ東系 旅の日~充電旅&バス乗り継ぎ旅で7時間SP~」は、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」と「ローカル路線バスの旅」のコラボ番組です。
出川哲朗、髙木菜那、太川陽介率いる3チームが、リレー方式で進みます。出川は電動バイク、高木と太川は路線バスのみを使って移動します。
お題は、鳥取県・大神山神社奥宮から岐阜県・郡上八幡城まで。このうち、路線バスの旅の区間は、鳥取砂丘からです。
鳥取砂丘から郡上八幡城までを、チーム高木とチーム太川が、リレー方式でバスを乗り継ぐわけです。この正解ルートを検証してみます。
いつものことですが、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解のうえ、お読みください。
※以下、掲載時刻は確認しましたが、間違いや勘違いがあると思います。ご容赦ください。また、間違いを見つけましたらご指摘ください。記事は掲載後に加筆・修正することがあります。文中は敬称略です。

■テレ東系 旅の日~充電旅&バス乗り継ぎ旅で7時間SP~
【放送日時】2025年6月21日 18時30分~21時24分
2025年6月22日 18時30分〜22時24分
【放送局】テレビ東京ほか
【配信】リアルタイム配信、見逃し配信あり
【出演】出川哲朗、飯尾和樹、長嶋一茂、高木菜那、柏木由紀、土屋アンナ、太川陽介、井ノ原快彦、高橋尚子、ウエンツ瑛士
実際ルート
最初に、番組で2チームが実際に旅したルート(実際ルート)をたどってみましょう。時刻表上の定刻を確認してみました。時刻のはっきりわからなかった部分は筆者による推定です。距離はGoogleマップによる測定で、番組表記とは異なる場合があります。
なお、この記事では、高木チームの鳥取砂丘出発を「1日目」として表記します。太川チームの最終日が「4日目」となります。
▽1日目
砂丘東口11:10→11:42岩美駅12:20→12:50湯村温泉13:15→14:33八鹿駅14:40→15:08和田山駅15:45→16:02白井→徒歩4.8km→16:54上夜久野駅前17:44→17:55下夜久野駅前→徒歩16.1km→21:30福知山駅
▽2日目
福知山駅07:42→08:11綾部駅前/綾部駅南口08:50→09:24大町バスターミナル10:28→10:47於見→徒歩8.8km→12:40川上12:53→13:24→徒歩11.5km→16:19小浜駅16:55→17:53近江今津駅
▽3日目
近江今津駅09:15→09:45マキノ病院前10:02→10:34野口→徒歩8.4km→12:05道の駅あぢかまの里12:55→13:20木ノ本駅→木之本バスターミナル13:26→14:00長浜駅14:25→15:00近江長岡駅15:43→15:54柏原→徒歩7.2km→17:32関ケ原駅→関ヶ原町役場→徒歩6.2km→ホテルR9(垂井町)
▽4日目(土曜)
ホテルR9→徒歩1.9km→綾戸口07:01→07:20大垣駅前07:35→07:57墨俣08:00→08:26 JR岐阜駅前10:51→11:59ほらどキウイプラザ12:05→12:30福祉センター→徒歩5.1km→13:41宇留良→徒歩14.1km→郡上八幡駅17:25→17:37郡上八幡城下町プラザ
ということで、4日目17時30分すぎに、郡上八幡城の城下町プラザに到着。無事ゴールとなりました。
ゴールしたので、今回は成功です。ただ、徒歩区間は髙木チームが41km、太川チームは42kmにも達し、合計すると80kmを超えます。もう少し歩かずに済むルートはないかと考えた方も多いでしょう。
他に正解ルートがあったのか、全体を振り返って検証していきましょう。(配信先で地図が崩れる場合は、こちらをご覧ください)
※Googleマップは概略です。実際のルートとは異なります。(以下全て)
鳥取駅に向かっていたら
まずは、高木チームの乗り継ぎをみてみましょう。メンバーは、高木のほか、柏木由紀と土屋アンナです。
1日目の冒頭で、一行は情報収集のため、鳥取駅へ向かうことも検討していました。仮に鳥取駅へ行っていたら、どうなっていたでしょうか。
▽1日目
砂丘東口10:37→10:57鳥取駅前11:10→12:11岩美駅12:20→12:50湯村温泉
このように、砂丘東口を10時37分に出るバスに乗り、鳥取駅で情報収集をしたうえで、鳥取駅前を11時10分に出るバスで岩美駅に向かえば、湯村温泉行きバスに間に合います。その場合は、実際ルートに収束します。
いっぽう、鳥取駅前11時10分発に乗り遅れると、岩美駅で湯村温泉行きバスに乗り遅れてしまいます。番組冒頭で、一行は砂丘会館バス停で11時20分発の鳥取駅行きを見ていましたので、当然、鳥取駅前11時10分発には間に合わず、湯村温泉行きにも乗り遅れてしまいます。
岩美駅12時20分発が湯村温泉行きの最終便なので、乗り遅れると、その後の乗り継ぎが成立しません。したがって、この時点で、ゴールは絶望的になっていたでしょう。
夜久野越えは避けられたか
現実には、一行は砂丘東口から、きちんと東方面のバスに乗り、乗り継いで和田山に15時08分に到着します。ここから白井へ出て、上夜久野駅まで5km近くを歩き、さらに下夜久野駅まで乗り継ぎます。
しかし、その後にバスがなく、福知山駅まで、さらに16kmも歩くことになりました。和田山駅から福知山駅まで、あわせて20km以上を歩いたわけです。
序盤から、いきなり厳しい道のりです。他のルートはなかったのか、と気になりますが、調べた限りでは見つかりません。方法としては、下夜久野駅周辺に宿泊して、翌朝のバスを待つことも考えられますが、付近に宿泊施設は見当たりません。
となると、夜久野近辺の徒歩区間を避ける方法はなさそうです。
福知山の選択
髙木チーム一行は、疲れ果てながらも福知山駅に21時半頃に到着し、1日目の日程を終えました。
続く2日目は、早朝に福知山駅の案内所に行ったものの、決定的な情報は得られず、綾部方面に向かうバスと、丹波大身を経て園部方面に向かうバスのどちらに乗るかで逡巡します。
まず、1便目の07時17分発の綾部行きを見送り、続いて、07時20分発の丹波大身方面行きにも乗りませんでした。最終的に選んだのは、7時42分発の綾部行きでした。
見送ったバスのうち、福知山駅07時17分発の便に乗った場合、綾部駅から一本早い大町行きのバスに乗れます。しかし、大町バスターミナルで実際ルートに収束します。
▽2日目
福知山駅07:17→07:46綾部駅前/綾部駅南口08:05→08:39大町バスターミナル10:28→10:47於見
したがって、この便を見送ったことは、その後の乗り継ぎに影響を及ぼしませんでした。
次の07時20分発の丹波大身行きのバスに乗った場合、園部、亀岡を経て、京都まで乗り継げます。放送で「南ルート」と呼んでいた道筋です。ここでは「京都ルート」と呼ぶことにします。京都ルートについての検証は長くなるので、後述します。
綾部から他ルートはなかったか
実際の一行は、福知山駅から綾部駅に出て、綾部市のコミュニティバスで大町に向かい、さらに於見へと乗り継ぎました。
方角的には、近くの都市として、舞鶴に抜ける考え方もあるでしょう。その場合、次のような乗り継ぎとなります。
▽2日目
福知山駅07:17→07:46綾部駅前/綾部駅南口07:57→08:24黒谷和紙会館前→徒歩7.5km→西舞鶴駅前11:15→11:43東舞鶴駅前12:05→12:34高浜駅前→徒歩19.6km→小浜駅17:55→18:53近江今津駅
一行は、福知山駅を7時17分に出るバスを見送りましたが、仮にこれに乗っていれば、綾部駅を7時57分に出る黒谷和紙会館前行きに間に合います。黒谷和紙会館前からは、7kmほどを歩けば西舞鶴駅に達します。
さらに乗り継いで高浜駅までバスで行けますが、その後は小浜駅まで20km近く歩くことになります。小浜駅では、実際に乗った16時55分発のバスには間に合わず、17時55分発の最終便となっていたでしょう。
つまり、舞鶴ルートは、実際にたどった於見ルートに比べて優位性はありません。
この乗り継ぎ以外にも、舞鶴へは、福知山から直接向かうこともできます。しかし、その乗り継ぎも今ひとつです。福知山から小浜を目指す場合、一行がたどった於見ルートより優れた道筋は見当たりませんでした。
高木チームは、最適なルートで小浜駅にまで達したと言えそうです。
40km以上の徒歩
高木チームは、於見から峠を越えて福井県側に入り、8kmを歩いて川上バス停に到着。そこからバスで、ホテルうみんぴあ前に達しました。
さらに11km以上を歩いて小浜駅に至り、16時55分のバスで近江今津駅に向かいました。近江今津駅に到達したのは18時前です。柏木の足の疲れもあって、高木はここで2日目を終えて、太川にタスキを渡す判断をします。
何しろ、2日間で40km以上も歩いていますので、この判断は適切でしょう。
マキノまで歩いていたら
ただ、もし、髙木チームに余力があれば、少し先のマキノを目指すこともできたでしょう。このようになります。
▽2日目
小浜駅16:55→17:53近江今津駅18:45→18:55北深清水→徒歩4.8km→マキノ駅
あと5kmを歩いて、マキノ駅付近まで達したら、翌日は次のように乗り継げます。
▽3日目
マキノ駅07:04→07:11小荒路→徒歩5km→08:20永原駅08:55→09:28道の駅あぢかまの里09:35→09:48湖北病院09:52→10:30長浜駅11:47→12:17高番→徒歩6.6km→玉北部集落センター15:26→15:52野上東防火水槽前→徒歩1km→一里塚前16:07→16:27老人福祉センター西→徒歩1.4km→綾戸口17:41→18:00大垣駅前18:30→19:05岐阜聖徳学園大学19:15→19:42 JR岐阜駅前
▽4日目(土曜)
JR岐阜駅前08:04→09:13ほらどキウイプラザ09:20→09:45福祉センター→徒歩19.3km→郡上八幡駅14:15→14:25郡上八幡城下町プラザ
マキノ駅を7時4分に出るバスに乗れば、5kmを歩いて永原駅に達し、長浜駅に10時半に到着できます。この乗り継ぎで滋賀県と岐阜県に県境に進むと、関ヶ原町と垂井町のコミュニティバスが使えますので、関ヶ原周辺の徒歩区間を減らせます。
4日目早い時間にゴール
3日目をマキノ発とした場合、全て順調にいけば、その日のうちに岐阜駅まで乗り継げます。4日目は、午後早い時間にゴールできるでしょう。
とはいえ、関ヶ原、垂井のコミュニティバスは、バス停やルートがわかりにくく、外部からの旅行者が簡単に利用できるものではなさそうです。したがって、実際にこの時間に関ヶ原に入っても、気づかずに歩きづめに歩いてしまう可能性が高いかもしれません。
また、実際の3日目朝の、太川チームのスタート時刻は9時すぎでした。ロケの都合もあるでしょうし、これを所与のものとするならば、マキノ駅を7時すぎに出発するという設定自体が成り立ちません。
【続きはこちら】
ローカル路線バス乗り継ぎの旅「旅の日」第3弾の正解ルートを検証する【2】