「ローカル路線バスの旅Z 第4弾」完全版SPで明かされた敗因。そこにしまむらがあったから

テレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 岐阜城~鳥取砂丘 完全版SP」が3月13日に放送されました。タッチの差で失敗に終わった回ですが、その意外な敗因が紹介されています。(文中敬称略)

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シリーズ第4弾

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 岐阜城~鳥取砂丘 完全版SP」は、2017年12月16日に初オンエアされた「ローカル路線バスの旅Z」シリーズ第4弾をアレンジして再放送したものです。

田中要次と羽田圭介のコンビにマドンナに村井美樹を迎えた、Zシリーズ初期の名作です。今回の「完全版SP」では、田中、羽田、村井の3人をスタジオに迎え、再放送VTRを流しながら旅の裏話を披露しました。

ローカル路線バスの旅Z4
Ⓒテレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 岐阜城~鳥取砂丘 完全版SP
【出演者】田中要次、羽田圭介、村井美樹
【ナレーター】キートン山田、太川陽介、鳥越まあや
【放送日】2021年3月13日(土) 18時30分~20時54分

「今だったら20kmなら歩いた」

「完全版SP」は、第4弾の再放送VTRにスタジオの3人の振り返りコーナーを織り込みながら展開。副音声では、3人のトークを流しつつ進行しました。

この回は、前半から村井が積極的に聞き込んでミラクルな接続を連発。2日目の午前中までは絶好調で、最速乗り継ぎで福井県の小浜駅に到着しました。小浜へ向かうバスのシーンで、副音声の村井は「このときは最高潮に楽しかった」と振り返ります。

しかし、小浜駅の案内所で、その先、舞鶴方面へは20km歩かないとバスがないことがわかります。やむなく一行は滋賀県へ引き返し、京都市内を経て福知山方面へ抜けるという大回りを選択しました。

このときの心境を、副音声の村井は「心がボロボロボロボロと砕ける音がした」と振り返ります。一方、田中は「今だったら20kmなら歩いたけどね」と苦笑い。当時は歩けないと判断した距離でしたが、その後ロケを重ねるにつれ、20km程度なら徒歩圏内、と自身の意識が変わったことを明かしました。

ちなみに、この20kmを歩き切れれば、終盤はラクにゴールできる設定になっていました。

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「客観的に見ると変な空気」

その後、一行は朽木から鯖街道を抜けて、大原から京都市内に入ります。京都市からは国道9号線に沿って北上し、園部に到達。疲労困憊で園部で泊まりたそうな田中、村井に対し、羽田が「バスがいっぱいあるのにステイする論理は弱い」という明言で押し切り、先へ進みました。

副音声では「名言来たあ」と囃す村井に、羽田は「人の話きいてないですね」と照れ笑い。続くバス車内の場面では、ナレーションが「ギスギスした空気」と表現。これを羽田は副音声で「気づいてなかった」と振り返り、「客観的に見ると変な空気ですね」と認めました。

イオンに寄らなかった理由

最終日、成否を分けたのは、上夜久野から和田山への歩きでした。一行は、上夜久野駅から歩き始め、途中、道の駅などに寄りながら、バスがないことを確認しつつ進みます。そして、和田山駅の手前で、八鹿行きのバスを見つけながら、タッチの差で乗り逃してしまいました。

このバスは、近くのイオンを発車して、和田山駅を経由して八鹿へ向かう路線でした。一行の経路ではイオンは手前にあったのですが、実際にはイオンを通らずに駅へ直行する近道を歩いてしまいました。近道への分岐点のVTRを見ながら、副音声の村井は「ここを右に曲がってしまったのですね」と悔やみます。

番組では、乗り逃しの場面で振り返りコーナーを設け、裏話として、一行はイオンでトイレに行く予定だったことを明かします。ところが、手前の「しまむら」にトイレがあったので寄ってしまい、結果的にイオンに行かずに駅へ向かってしまったそうです。

田中は「予定通りイオンのトイレに寄っていればバスに乗れていた」と説明。イオンに立ち寄らなかったことが敗因であったことを認めました。

さらに、田中は「このときからイオントラウマができた」と表現。実際、「ローカル路線バスの旅Z」では、第5弾以降、イオンのようなショッピングモールに寄ってバス停を探すシーンが増え、このときの失敗が田中・羽田コンビの行動を変えたことが見て取れます。

和田山乗り逃しは、その後の「Zシリーズ」のルート探しに影響を与える契機となったわけです。

村井の奮闘が光る

全体を振り返ると、前半の絶好調と後半の停滞が好対照で、ドラマティックな回でした。羽田の名言もあり、「Zシリーズ」のなかでも印象に残った傑作回といえます。

マドンナ村井の奮闘も光りました。名言シーンでは疲労からか消極的な姿勢を見せてしまいましたが、全体的には先頭に立って聞き込みし、真剣にゴールを目指していたことが伝わってきました。敗れたときの悔しがり方も並大抵ではなく、村井が、その後「バスVS鉄道対決旅」のリーダーに抜擢された理由がわかる気がします。

番組の最後では、田中が「第16弾でお会いしましょう」と締めました。新型コロナの影響でロケができない状況が残念ですが、新作も楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)

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