LCCのエアアジア・ジャパンが破産しました。日本国内の航空事業からの撤退はすでに発表されていたので驚きは小さいですが、航空券代の返金もできず、最後は破産というハードランディングでの幕切れとなりました。
負債総額217億円
格安航空会社LCCのエアアジア・ジャパンは、2020年11月17日、東京地方裁判所に破産手続きを申し立てました。帝国データバンクによりますと、負債総額は約217億円です。
エアアジア・ジャパンは、中部国際空港を拠点とし、札幌、仙台、福岡への国内3路線と中部~台北の国際線の計4路線を展開していました。この全路線から撤退することを表明済みで、12月5日をもって事業を停止することを国土交通省に10月5日に届け出ています。
そのため、日本からの事業撤退は既定路線で驚きはありませんが、「破産」という形で会社をたたむというのは、やや意外感があります。撤退後も会社を存続させ、航空運送事業許可維持も模索したようですが、コロナ禍の収束が見通せないなか、事業再開は困難との判断に傾いたようです。
日本経済新聞11月17日付によりますと、新型コロナで資金繰りが悪化し、マレーシアの本社から支援を打ち切られたことが響いたとのことです。コロナ禍での国内の航空会社の経営破綻は初めてです。
航空券返金できず
エアアジア・ジャパンは債務超過に陥っていて、エアアジア・ジャパンの保全管理人弁護士によると、航空券の返金を受けられない顧客が少なくとも23,000人いて、航空券約5億2000万円分の返金見通しが立っていないそうです。同社の株主である楽天などに支援を求める方針とのことですが、返金を受けられるかは不透明です。
大手航空会社の出資を受けない航空会社として期待を集めていましたが、最後は破産というハードランディングで幕切れを迎えるのは、ちょっと残念です。