仙石線に、ディーゼルハイブリッド車両HB-E210系が導入されることがわかりました。JR東日本が発表しました。仙石線は東日本大震災で高城町~陸前小野間が運休していますが、2015年にこの区間を復旧させ、同時に高城町から東北本線塩釜駅に至る渡り線を設置、東北本線との乗り入れを開始します。その車両としてHB-E210系が使用されることになります。
HB-E210系はディーゼル発電機と蓄電池でモーター走行し、ブレーキ時には回生エネルギーで充電します。架線は必要ありません。東北本線は交流20000V、仙石線はかつて地方私鉄だったために直流1500Vで、両線を電車で直通することはできません。そのため、直通運転にハイブリッド車両が使用されるようです。仙台~石巻駅間で直行運転が始まれば、所要時間は被災前の約70分から10分程度短縮される見通しです。投入されるHB-E210系は2両編成(定員約260人)で、8編成が新造されるとのことです。
さて、仙台~石巻間が70分ならば、30分間隔の運転でも6編成で間に合います。それなのに8編成が新造されたということは、高城町~石巻間はほぼすべての列車がハイブリッド車両になるということでしょう。仙台~高城町間とは系統が分断され、日中には仙台~東北本線~石巻間の列車が、毎時1本程度運転されるのではないかと思われます。となると、高城町~石巻間のうち、復旧作業が行われている高城町~陸前小野間は電化設備が設けられないのかもしれません。ハイブリッド車両は、地上の電化設備を必要としないからです。
陸前小野~石巻間も、現在はディーゼル車両で運行されており、電化設備は使用されていません。となると、2015年以降は、高城町~石巻間の全線が非電化区間になるのではないでしょうか。
昨年の記者会見で、JR東日本は「電化復旧する」と表明しました。しかし、それがハイブリッド車両による運行で代替される可能性はありそうです。