世界遺産2013年新登録まとめ。自然遺産5、文化遺産14が新規登録、拡張3を承認。総数は981、160カ国・地域に

2013年6月16日からカンボジアのプノンペンで開催されていた、第37回世界遺産委員会が6月27日に閉会しました。今年の世界遺産委員会では、文化遺産14件、自然遺産5件の合計19件が新規登録され、3件が登録範囲拡大となりました。これで世界遺産登録数は、合計981件となります。

今回新たに世界遺産登録がされた国は、カタール、フィジー、レソト(範囲拡大として)です。合計160カ国・地域に世界遺産が広がりました。

また、内戦の続くシリアの6件すべての世界遺産が、危機遺産リストに記載されました。

Salah El-Din[
危機遺産に指定されたクラック・デ・シュヴァリエ(シリア)

以下、世界遺産委員会2013年の結果まとめです。

▽新規登録
■ 文化遺産(14件)
アル・ズバーラ考古学的地区(カタール)
Al Zubarah Archaeological Site

タウリカ半島の古代都市とそのコーラ(ウクライナ)
Ancient City of Tauric Chersonese and its Chora

ヴィルヘルムスヘーエ公園(ドイツ)
Bergpark Wilhelmshohe

紅河哈尼(ハニ)の棚田群の文化的景観(中国)
Cultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces

富士山(日本国)
Fujisan

ゴレスタン宮殿(イラン)
Golestan Palace

ラジャスタンの丘陵砦群(インド)
Hill Forts of Rajasthan

アガデス歴史地区(ニジェール)
Historic Centre of Agadez

開城の歴史的建造物群と遺跡群(北朝鮮)
Historic Monuments and Sites in Kaesong

レブカ歴史的港湾都市(フィジー)
Levuka Historical Port Town

トスカーナのメディチ家の邸宅と庭園群(イタリア)
Medici Villas and Gardens in Tuscany

レッドベイのバスク人による捕鯨基地(カナダ)
Red Bay Basque Whaling Station

コインブラ大学 アルタとソフィア(ポルトガル共和国)
University of Coimbra Alta and Sofia

ポーランドとウクライナのカルパチア地方の木造聖堂群(ポーランド、ウクライナ)
Wooden Tserkvas of the Carpathian Region in Poland and Ukraine

ケソン
開城

■ 自然遺産(5件)
エル・ピナカテとアルタル大砂漠生物圏保護区(メキシコ)
El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve

エトナ山(イタリア)
Mount Etna

ナミブ砂漠(ナミビア)
Namib Sand Sea

タジク国立公園(パミール高原の諸峰)(タジキスタン)
Tajik National Park (Mountains of the Pamirs)

新疆天山(中国)
Xinjiang Tianshan

▽範囲拡大
■ 文化遺産(1件)
01. ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑(ポーランド)
Wieliczka and Bochnia Royal Salt Mines

■ 自然遺産(1件)
01. ケニア山国立公園(ケニア)
Mount Kenya National Park/Natural Forest

■複合遺産(1件)
01. マロティ‐ドラケンスベアク公園(レソト、南アフリカ)
Maloti-Drakensberg Park

▽危機遺産
■ 危機遺産リストを脱した遺産(1件)
バムとその文化的景観(イラン)
am and its Cultural Landscape

■ 危機遺産リスト入りした遺産(7件)
▽アレッポの旧市街(シリア)
Ancient City of Aleppo

隊商都市ボスラ(シリア)
Ancient City of Bosra

ダマスカス旧市街(シリア)
Ancient City of Damascus

シリア北部の古代集落(シリア)
Ancient Villages of Northern Syria

クラック・デ・シュヴァリエとカラット・サラーフ・アッディーン(シリア)Crac des Chevaliers and Qal’at Salah El-Din

古代都市パルミラ(シリア)
Site of Palmyra

東レンネル(ソロモン)
East Rennell

※日本語訳は一部筆者による仮訳です。

ご存知の通り、「武家の古都・鎌倉」は、世界遺産委員会への推薦を取り下げられましたので、登録されていません。

新規登録されたなかで、筆者が訪れたことがあるのは、富士山、ゴレスタン宮殿、開城、新疆天山です。なかでも、天山の美しさは印象深いものがあります。あの美しき天山が、世界遺産登録で、中国人観光客であふれかえることにならなければよいのですが。

2014年の第38回世界遺産委員会では、日本の「富岡製糸場と絹産業遺産群」などが審議される予定です。

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