2020年7月4日に熊本県を襲った豪雨による水害で、球磨川沿いの鉄道路線に大きな被害がでています。公式発表ではない情報が含まれていますのでご承知おきください。
球磨川第一橋梁が流出
7月4日豪雨の被害の全容は明らかではありませんが、熊本県人吉市の球磨川に設置された堤防が決壊し、洪水により多くの鉄道施設の被害が出たようです。
国土交通省によりますと、JR肥薩線の人吉駅など複数の駅で線路が冠水し、鎌瀬~瀬戸石間の球磨川第一橋梁が流失しました。肥薩おれんじ鉄道では、佐敷駅で線路が冠水。くま川鉄道の人吉温泉駅は土砂が流入したということです。
地理院地図で公表
被害状況の全容ははっきりとわかりませんが、国土地理院が球磨川流域の被害状況の写真を公開し、被害の一部が見られるようになりました。以下で見てみましょう。
以下は、国土地理院地図で公表されている写真の引用です。
まず、九州新幹線との交点あたり。九州新幹線の橋梁は無事です。
坂本周辺。支流と本流が合流するあたりに肥薩線の橋梁があるはずですが、見当たりません。
坂本駅周辺。浸水していることがわかります。
葉木駅周辺。写真を見る限りでは、駅施設は浸水を免れたようです。
鎌瀬駅周辺。支流に架かる橋梁は持ちこたえていますが、右側の球磨川第一橋梁は流出しています。
球磨川第一橋梁。
瀬戸石駅周辺。駅も線路が確認できず、非常に心配です。
海路駅周辺。駅ホームは確認できますが、線路の路盤は流出しているようです。
吉尾駅周辺。ホームはなんとか冠水していないようですが、線路は冠水しています。支流に架かっているであろう橋の様子はわかりません。
詳しくご自身で確認されたい方は、こちらからどうぞ。
国土地理院地図
くま川鉄道車庫も冠水
このほか、くま川鉄道関係者のツイッターによりますと、同線の車庫も冠水、車両にも水が浸かりました。
くま川鉄道、、
甚大な被害が生じております。
建屋は浸水し、車両も水に浸かりました。
どうか皆様も危険を感じたらすぐに避難をお願いします。#人吉球磨#人吉市内#浸水#避難 pic.twitter.com/H6UME8NyjR— くま川鉄道【公式】@粛々と運行中 (@kumatetu_rail) July 4, 2020
水が止まらず車庫が浸かりました。#くま川鉄道#熊本県人吉市#氾濫 pic.twitter.com/WRsAl9SXiL
— くま川鉄道 社員(熊本県人吉市) (@kumatetusyain1) July 4, 2020
くま川鉄道車庫とお隣はJR肥薩線人吉駅です。#熊本県人吉市#氾濫 pic.twitter.com/5itc4j4YRA
— くま川鉄道 社員(熊本県人吉市) (@kumatetusyain1) July 4, 2020
氾濫後の線路。#くま川鉄道#熊本県人吉市 pic.twitter.com/t8dTc8FVo6
— くま川鉄道 社員(熊本県人吉市) (@kumatetusyain1) July 4, 2020
名物のひとつ、球磨川第四橋梁は氾濫により倒壊。#くま川鉄道#熊本県人吉市 pic.twitter.com/pyt5sWDbsx
— くま川鉄道 社員(熊本県人吉市) (@kumatetusyain1) July 4, 2020
球磨川第二橋梁も流出か
公式発表ではありませんが、ツイッターなどの情報やテレビのニュース映像によりますと、JR肥薩線白石〜球泉洞の漆口川橋梁や、那良口〜渡間の第二球磨川橋梁、人吉~大畑間の球磨川第三橋梁も水没または流出したようです。
球磨川第二橋梁も流失 pic.twitter.com/QOu7GI6ggT
— FdXisNpkmCEy (@FdXisNpkmCEy) July 4, 2020
肥薩線 球磨川第三橋梁なー pic.twitter.com/MLK82UhNLa
— いんがめ←そろそろヤバゐ (@ingame298) July 4, 2020
復旧に年単位
肥薩線やくま川鉄道の多くの区間で冠水や路盤流出が生じているとみられます。大規模な橋梁を失ったため、肥薩線の八代~人吉~吉松間と、くま川鉄道全線の復旧には年単位の時間がかかりそうです。復旧費用も数十億円単位になると見られます。
また、肥薩おれんじ鉄道でも、上述の佐敷駅のほか、上田浦駅付近が水没し、土砂流入が発生しているようで、当面は運転見合わせとなりそうです。
熊本県芦北町 駅の線路が水没
午前7時前に熊本県芦北町のアパートの3階から肥薩おれんじ鉄道の佐敷駅の付近を撮影した映像です。
線路は茶色く濁った水につかって見えなくなっていて、駅のホームだけが確認できる状態です。https://t.co/ZgJjJg9xFl pic.twitter.com/ii1RIXS3rB— NHKニュース (@nhk_news) July 4, 2020
まずは人命が優先の局面です。その後、鉄道被害の詳細の調査も待たれるところです。(随時情報を追加することがあります)