JR渋谷駅の埼京線で使われていた旧ホームが、2020年5月29日を以て使用終了となり、6月1日から山手線ホームと並ぶ新ホームの供用が開始されます。「南渋谷駅」の異名をとるほど離れていたホームともお別れです。
山手線から350m
渋谷駅の埼京線ホームには、埼京線のほか、湘南新宿ライン、りんかい線直通列車、JR・相鉄直通線の列車が乗り入れています。利用者の多い重要なホームですが、これまでは山手線ホームから約350m離れた新南口付近に位置していました。
ハチ公改札や中央改札といった渋谷のメインの改札口からはかなり遠かったため「南渋谷駅」の異名を取るほどで、利用者の評判は芳しくはありませんでした。
この埼京線ホームが、ついに山手線と並ぶ位置に移動します。東急東横線の旧渋谷駅のスペースを一部活用して、山手線に隣接する新ホームを設置します。
新ホームは高架上の中央改札のほか、地上にあるハチ公改札、南改札にも直結し、これらの改札口からの埼京線ホームへのアクセスが格段にラクになります。
新旧ホームがつながって
この埼京線移設工事がついに大詰めを迎え、旧ホームは5月29日で使用が終了し、30、31日の2日間で移設工事を行った後、6月1日に新ホームの供用を開始します。
すでに、新ホームでは改札口とつながる通路も完成しています。
現状は、埼京線旧ホームと新ホームが連続してつながっている状態です。ただし、ホームの高さが異なるので、2日間の工事で線路をかさ上げして付け替えて、新ホームに発着するようにします。
移設後、新南口から埼京線ホームは遠くなりますが、当面は、つながっているホーム上を連絡通路として移動できます。将来的に新南口改札は閉鎖される予定ですが、中央改札口へつながる新たな改札外連絡通路が作られる予定です。
24年間の役目を終えて
埼京線渋谷駅ホームの開設は1996年。山手貨物線を旅客化する際に、山手線渋谷駅にホームを併設するスペースがなかったことから、離れた位置に埼京線ホームを作りました。以来24年間、多くの人に使われてきました。
東急東横線渋谷駅の旧ホーム(地上ホーム)の使用が終了するときは惜しまれたものですが、埼京線旧ホームの使用終了については、惜しむ声をほとんど聞きません。「さよなら埼京線旧ホーム」というようなフィーバーも起きていないようです。
旧ホームは他線との乗り換えが不便すぎるため、新ホーム移設を歓迎する声が圧倒的だからでしょう。
しかし、もうこのホームで乗降することがないとなると、少しは寂しいもの。とくに、旧ホーム南端付近は、渋谷駅とは思えぬ最果て感が漂っていて、独特の雰囲気でした。
その「南渋谷駅」も思い出になってしまいます。24年間のお役目ご苦労様でした。そしてさようなら。