相模鉄道が、2020年度の鉄道・バス設備投資計画を発表しました。東急線直通向けの新型車両20000系10両を6編成増備し、東横線直通の期待が高まりそうです。
20000系10両を6編成
相模鉄道(相鉄)の2020年度投資計画では、総額187億円を運輸事業に投じます。鉄道事業に178億円、バス事業に8億円です。
注目は、2022年度下期に開業予定の相鉄・東急直通線向けの新型車両20000系の新造でしょう。10両を6編成増備すると発表しました。20000系はすでに10両が1編成運用されていますので、合計7編成となります。
20000系は、2023年度までに16編成が導入される予定です。今回の発表で、全16編成のうち7編成が10両で登場することが明らかになりました。
同社決算説明会資料によりますと、20000系は最終的に16編成が投入され、合計142両となります。内訳は増備が5編成44両、代替が11編成98両です。2022年3月期以降に投入される9編成はすべて8両編成となります。
要するに、以下のような割合です。
代替=10両5編成、8両6編成
増備=10両2編成、8両3編成
20000系10両編成が投入されるのは2021年3月までで、2021年4月以降はすべて8両編成での投入となります。
目黒線で運転できない
相鉄・東急直通線の乗り入れ先の東急では、東横線の優等列車停車駅は10両編成に対応しています。しかし、東横線の優等列車通過駅の一部や、目黒線のホームは8両編成までしか長さが対応していません。となると、20000系10両編成は東横線の各駅停車としては走れませんし、目黒線で営業運転することもできません。
となると、相鉄が東急線直通車両を10両編成で用意するということは、直通運転の列車の一部が、東横線の優等として走ることを意味します。
ただ、上述の通り、20000系は東急線直通だけでなく、既存車両の代替(置き換え)としても投入され、10両編成はその役割もあります。相鉄・東急直通線は2022年度下期の開業予定で、それにあわせたタイミングで投入される20000系は8両編成です。8両と10両のバランスを取りながらの投入といえそうです。
相鉄・東急直通線の運転本数は、朝ラッシュ時間帯が毎時10本~14本程度。その他の時間帯が4~6本程度と発表されています。日中時間帯の東横線の優等列車は、特急と急行が毎時4本です。これを相鉄線に回すとは思えません。
ただ、増備の2編成が10両編成なので、東横線直通の優等列車が設定される可能性は高いでしょう。その場合は、新たな急行列車を、相鉄線直通用に設定するのでしょうか。
運行計画の詳細は未発表ですが、期待が高まりそうです。