渋谷の新しいランドマークとなる渋谷スクランブルスクエアの第1期・東棟が、2019年11月に開業します。渋谷駅直結の大規模複合施設で、第2期は2027年度開業予定。息の長いプロジェクトの詳細を見てみましょう。
渋谷で最も高いビル
2013年3月の東急東横線の地下化の後、渋谷駅周辺ではあちこちで再開発工事が行われています。その中心となるのが「渋谷駅街区開発計画」で、東京急行電鉄、JR東日本、東京メトロが携わる大規模プロジェクト。この施設の名称が、「渋谷スクランブルスクエア」です。
渋谷スクランブルスクエアは、東棟、中央棟、西棟の3棟で構成されます。最大規模を誇るのが東棟で、旧東横線渋谷駅跡地に建設され、地上47階建て、高さは約230m。「セルリアンタワー」(地上41階、高さ184m)を抜き、渋谷駅周辺で最も高いビルとなります。その開業時期が、2019年11月に決定しました。
高さ230mの展望施設
渋谷スクランブルスクエア東棟のフロア構成は、地下2階から14階が商業施設、15階が産業交流施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」、17~45階がオフィス、45階~屋上が展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」です。
観光的な注目は、展望施設「SHIBUYA SKY」でしょう。高さ230mの渋谷最高峰となるパノラマビューを楽しめます。ただ高いだけではなく、展望施設を空間装置ととらえ、 入口から出口までを一貫した体験ストーリーで演出するのも特徴です。渋谷ならではの眺望と空間演出を試みるわけです。
商業施設最上階にあたる14階が、「SHIBUYA SKY」のチケットカウンターで、45・46階が屋内展望施設となります。屋上には2,500平米の展望空間を設けます。入場料は税込み2,000円の予定です。
サイバーエージェントなどが入居
商業施設は地下2階~14階の約32,000平方メートルです。詳細は未公表ですが、フード、ファッション、ライフスタイル雑貨、カフェ・レストランなどのショップが入ります。3階、7階、12階の計3カ所にはイベントスペースを設け、展示会や体験型イベントが行なわれます。
15階の産業交流施設 「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」は、面積2,600平米。東大など有名大学と連携し、会員向けのプログラムを提供します。
17~45階がオフィススペース。入居企業はいくつか明らかになっていて、サイバーエージェント、ミクシィ、エヌエヌ生命、ロッキング・オン・ホールディングス、レバレジーズなどが入居を発表しています。交通利便性抜群の立地で、従業員は通勤しやすいでしょう。
ちなみに、国道246号線を挟んだ地上35階建ての「渋谷ストリーム」には、グーグル日本法人が移転します。
中央棟は「スクランブル交差点」に
渋谷スクランブルスクエアは、東棟のほかに、第2期として中央棟、西棟の建設も計画されています。中央棟はJR渋谷駅のホームや線路の上に、西棟は東急東横店の跡地などに建設されます。
中央棟は、地上10階、地下2階、高さ約61m。西棟は、地上13階、地下5階、高さ約76m。どちらも2027年度の完成予定です。
渋谷スクランブルスクエアの東棟は、スクランブル交差点には面していませんが、中央棟はハチ公口に面して作られます。それにより、スクランブルスクエアはスクランブル交差点と近接することになります。
逆にいうと、それまではスクランブル交差点とスクランブルスクエアは離れているわけで、外国人など慣れない観光客には、混乱のタネになるかもしれません。(鎌倉淳)