不通が続いているJR日高線の鵡川~様似間のうち、日高門別以南の廃止について、地元自治体が容認することを決めました。残る鵡川~日高門別間については、引き続き復旧の可能性を探ります。
JR北海道は廃止意向
日高線の鵡川~様似間(116.0km)は、2015年1月の高波被害で厚賀~大狩部間の護岸が流出。2016年8月の台風被害で、他区間でも橋梁が流出するなど、複数箇所で大きな被害を受けています。このため、同区間は、約3年以上にわたり運休が続いています。
JR北海道は復旧作業に手を付けておらず、2016年11月に発表した「単独では維持困難な線区」の一つにも含まれました。島田修社長は、同年12月21日に、沿線8町の町長らに対し廃止の意向を正式に伝えています。その後沿線自治体で協議が続けられていました。
多額の費用負担を踏まえ断念
2018年11月17日に、新冠町で沿線8町の町長らによる臨時町長会議が開かれ、日高線不通区間の全面復旧について、多額の費用がかかることから断念することを決定。日高門別~様似間95.2kmについては、利用客が少ないため、廃線とバス転換を容認することを決めました。
鵡川~日高門別間20.8kmについては、災害の被害も少なく、利用者も比較的多いことから、今後も復旧の可能性を引き続き探ります。次回の会合は12月25日に開催される予定で、早ければこのときに、鵡川~日高門別間についても沿線自治体としての結論を示すそうです。
日高線の復旧費用は86億円と見込まれており、輸送密度も低いことから、今回の結論に驚きはありません。ただ、災害により、ある日突然、鉄道が不通になり、そのまま失われてしまうことは、とても残念です。
日高線苫小牧~鵡川間については、震度7を観測した北海道胆振東部地震により不通になっていますが、11月19日午後から運行を再開します。