三陸鉄道は、JR東日本から経営移管される山田線宮古~釜石間について、2019年3月23日に運行を開始すると発表しました。
JRが復旧し、三陸鉄道に移管
三陸鉄道は、北リアス線宮古~久慈間71.0kmと、南リアス線盛~釜石間36.6kmを運営する第三セクター鉄道です。南北間にある宮古~釜石間55.4kmはJR山田線ですが、東日本大震災で被災し、不通が続いてきました。
不通区間については、JR東日本が復旧させ、三陸鉄道に移管されることが決まっていて、2015年2月6日にJR東と岩手県、沿線4市町、三陸鉄道との間で基本合意が取り交わされています。同年3月に復旧工事に着手、2018年度末の運行再開とされてきました。
2017年12月には、南北リアス線と復旧区間が統合され「リアス線」とされることが決定。宮古市内に「八木沢・宮古短大」「払川」の2つの駅を新設するほか、従来の11駅は駅名をそのまま引き継ぐことも決まりました。
そして三陸鉄道としての宮古~釜石間の運行開始日は2019年3月23日に決定。この日から三陸鉄道は久慈~盛間163.0kmを一貫して経営します。国内の第三セクター鉄道としては最長距離となります。
駅名の愛称も決定
同時に、公募していた宮古~釜石間13駅と新田老駅(2019年度開業予定)の愛称も発表しました。各駅の愛称は次の通りです。
新田老=真崎の紺青(こんじょう)▽磯鶏=松原の想い出▽八木沢・宮古短大=八木沢川のせせらぎ▽津軽石=鮭(さけ)の町▽払川=新たな希望▽豊間根=まつたけの里▽陸中山田=海のオランダ島▽織笠=鮭まつる川▽岩手船越=本州最東端の駅▽浪板海岸=片寄波のサーフサイド▽吉里吉里=鳴き砂の浜▽大槌=鮭とひょうたん島の町▽鵜住居=トライステーション▽両石=恋の峠 愛の浜
開業後に三陸キャンペーンも
2015年の基本合意によりますと、鉄道施設の復旧費用はJRが負担。JRは、レールや枕木などの鉄道施設の一部を、三陸鉄道と同水準まで強化したうえで、関係自治体に無償譲渡します。
施設と事業用地も自治体に譲渡します。さらに、JRは移管協力金として30億円を自治体に提供。そのほか、運行に必要な新造車両8両の購入費として14億円を提供します。
開業後も、JRは観光キャンペーンなどにより支援するとしており、2019年春以降に、三陸旅行のキャンペーンが行われそう。震災以来8年をかけての悲願の復旧で、大いに盛り上がりそうです。