宇都宮ライトレール(ライトライン)は栃木県宇都宮市と芳賀町を結ぶLRT(路面電車)です。
JR宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地14.6kmを結びます。さらに、宇都宮西口、東武宇都宮駅を経て教育会館前までの延伸が計画されています。開業予定は2036年3月です。
宇都宮ライトレール延伸の概要
宇都宮ライトレールは、宇都宮市と芳賀町を結ぶLRT路線です。JR宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地の約14.6kmが2023年8月に開業しました。
JR宇都宮駅西口方面の延伸計画は、宇都宮駅東口から大谷観光地付近までが検討され、教育会館前までの約5kmが整備区間とされました。

JR東北本線を高架で越えて、宇都宮市中心部西側にLRTを延伸します。

JR宇都宮駅西口から教育会館前まで、12箇所の停留所が計画されています。ただし、停留所の最終的な配置は未決定です。
教育会館前までの延伸は、2025年度に軌道事業の特許申請をおこない、2036年3月に開業予定です。
さらに、東武宇都宮線に乗り入れる計画もあります。東武宇都宮駅ビルの建て替えにあわせたタイミングで東武線に乗り入れ乗り入れられるように線路を接続する構想です。
2017年5月に栃木県経済同友会の地域振興委員会が提言した「トチギの未来夢計画」では、東武宇都宮駅でのLRT乗り入れ計画のイメージ図が記されています。
ただし、東武直通はまだ構想段階で、具体的な計画はありません。

宇都宮ライトレール延伸の沿革
宇都宮市では、東西の公共交通機関がバスしかなく、渋滞により定時性が確保できないなどの課題がありました。これを克服するため、新交通システムとしてLRT導入が検討され、2007年度に事業化に向けた本格的な調査が行われました。
導入に関しては賛否両論ありましたが、2013年3月、宇都宮市の「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」で、LRT導入の方針が正式に示されました。
LRTの事業化に向けて詳細検討を行うため、「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」が設置されました。2015年11月には第三セクターの宇都宮ライトレール株式会社が設立され、事業が本格的にスタートします。
2016年に軌道法の特許を申請し、2016年9月に認可。2017年9月に工事認可を申請、2018年3月に着工しています。開業予定は2022年3月とされましたが、1年あまり遅延し、最終的に2023年8月26日に開業しました。
開業の前後に、宇都宮市では、早くも宇都宮駅西口方面への延伸事業に着手します。2022年8月22日の第34回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会では「JR宇都宮駅東口停留場~宝木町1丁目・駒生1丁目付近(教育会館付近)」までの約5kmを整備区間と設定することを明らかにしました。
2024年2月1日の宇都宮市議会に公表した資料では、宇都宮駅東口~教育会館までに12箇所の停留所を設置する「イメージ」を公表。2025年度に軌道事業の特許申請するスケジュールとしました。
2025年10月には、特許申請に向けて事業費の精査がおこなわれ、スケジュールも再検討されました。それによると、事業費は698億円で、内訳は、埋設物の移設や高架橋などの土木費が285億円、停留場近くの道路拡幅などで必要な用地費が142億円で、車両費は112億円(1編成あたり8億円)です。
開業予定は、当初2030年代前半とされてきましたが、新たに必要となった用地買収や埋設物の移動などに時間がかかるため、2035年度(2036年3月)にずれこむ見通しが明らかになりました。

宇都宮ライトレール延伸のデータ
| 営業構想事業者 | 宇都宮ライトレール |
|---|---|
| 整備構想事業者 | 宇都宮市 |
| 路線名 | 未定 |
| 区間・駅 | 宇都宮駅東口~教育会館前 |
| 距離 | 約5km |
| 想定利用者数 | — |
| 総事業費 | 698億円 |
| 費用便益比 | — |
| 累積資金収支黒字転換年 | — |
| 種別 | 軌道事業 |
| 種類 | 軌道 |
| 軌間 | 1067mm |
| 電化方式 | 直流750V |
| 単線・複線 | 複線 |
| 開業予定時期 | 2036年3月 |
| 備考 | 社会資本整備総合交付金 |
※データはおもに『第34回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会資料』より。
宇都宮ライトレール延伸の今後の見通し
宇都宮ライトレールの駅東側開業区間は、想定以上の利用者を記録して順調です。これを受け、駅西側の教育会館方面への建設も加速しました。
開業済区間の利用状況が良好なため、教育会館方面への延伸に対する反対の声は小さく、実現する可能性が高そうです。順調にいけば、開業予定は2036年です。
将来的な東武鉄道への乗り入れは何ともいえませんが、東武百貨店建て替えのタイミングでの実現性は小さくありません。東武百貨店は2030年代ごろの建て替えが見込まれていますので、事業着手するとすれば、教育会館までの開業後になるでしょう。



























