JRゆめ咲線の輸送力強化・混雑緩和策が発表されました。駅の改良などで、毎時最大12本の運転が可能になります。
新エリア開業に備え
JRゆめ咲線(桜島線)は西九条~桜島間4.1kmを結ぶ路線です。沿線にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)があり、近年はインバウンドの隆盛で、利用者が急増しています。2013年度の輸送密度は65,399人キロでしたが、2017年度には87,913人キロと、4年間で1.3倍に増えています。
とくに、朝の通勤時間帯に、駅や列車内で混雑が著しくなっています。2020年夏にUSJで新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の開業も予定されているため、今後さらに利用者が増えると想定されています。
そこで、JR西日本では、JRゆめ咲線で輸送力強化、混雑緩和の取り組みを進めることとなりました。すでに、新型車両である323系を、2019年6月までに大阪環状線、JRゆめ咲線の全営業列車に投入完了しています。
西九条駅で線路改良
輸送力強化策として、西九条駅で線路改良をおこない、大阪方の梅田貨物線から大阪環状線内回りへ入れる渡り線を設けます。これにより、特急「はるか」「くろしお」が、西九条駅の5番線を使えるようになります。
現在は、これら特急の関空・和歌山方面行き列車が、JRゆめ咲線の折返し列車が使う4番線に発着しており、ピーク時間帯にJRゆめ咲線の列車を増発することが難しい状況となっています。
渡り線を新設し、信号設備を整備することにより、特急を5番線に発着できるようにし、4番線をJRゆめ咲線専用として運用可能とします。現在はピーク時間帯に1時間あたり最大9本のゆめ咲線列車を運転していますが、渡り線完成後は最大12本の運転が可能になります。運用開始時期は2020年を予定しています。
ユニバーサルシティ駅も改良
また、USJの最寄駅であるユニバーサルシティ駅の改良も実施します。
自動改札機を13台から15台へ増設、パーク側へ抜けやすい改札ルートも新設します。
上図のように、有人改札をパークと反対側に移設、券売機もパークと反対側に移します。
これにより、自動改札利用者の流動と、有人改札・券売機の行列を分離し、混雑緩和を図ります。こちらは2020年5月ごろの竣工予定です。