「太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅」はシリーズ化するか。テレビ東京の新企画

太川陽介と蛭子能収のコンビによる新番組が放送されました。テレビ東京の「太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅」と題する鉄道旅行のバラエティ。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」で人気を集めた名コンビの新番組は、シリーズとして定着するのでしょうか。

広告

1年半ぶりにコンビ復活

ルイルイこと太川陽介と、漫画家の蛭子能収は、2007年にスタートした「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」で共演し、絶妙な掛け合いとハードな旅で人気を博しました。

しかし、蛭子の体力面などの理由で、放送開始から10年目を迎えた2017年1月に、第25弾を以て終了しています。

それから約1年半。2人に対し、テレビ東京が打ち出した新企画が「太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅」。2018年9月8日にオンエアされました。

太川・蛭子 ローカル鉄道 寄り道の旅
画像:テレビ東京

太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅
【出演者】太川陽介、蛭子能収、高橋ひとみ

秘境駅で降りて、名所・名物を探す

テレビ東京ウェブサイトによると、「ローカル鉄道寄り道の旅」の主なルールは以下の通りです。

① 途中下車をして「旅の資金」をゲット。名所・名物を探す。
②「旅の資金」は途中下車する駅によって異なり、「平均利用客の少ない駅」ほど高額。
③ 宿泊費は「旅の資金」から捻出。なければ宿泊できない。

上述のように、途中下車で得られる資金は、駅の利用者数に応じて増減します。下今市や東武日光といったターミナル駅で下車しても1,000円しか得られませんが、男鹿高原駅のように利用者が少ない「秘境駅」では10万円が得られます。

それなりの資金を得るには、利用者の少ない「秘境駅」で降りるのが効率的です。しかし、「寄り道」して名所・名物に出会えなければ資金は没収です。したがって、番組の流れとしては、「秘境駅で降りて名所・名物を探す」という旅になっていきます。

広告

めでたく「成功」

女優の高橋ひとみをゲストに迎え、東武線栃木駅をスタート。会津鉄道の会津若松駅まで53駅160kmを、1泊2日で目指すというお題でした。

一行は途中、合戦場(5,000円)、楡木(1万円)、新鹿沼(1,000円)、板荷(3万円)、上今市(3万円)、川治温泉(5万円)、川治湯元(3万円)、中三依温泉(5万円)、湯野上温泉(1万円)、大川ダム公園(10万円)の各駅で下車。このうち、川治温泉と大川ダム公園では、「寄り道」ができずに資金没収となりました。

ロケはお盆に行われたようで、川治温泉では満室で宿に断られるなどの苦労もありました。ただ、全体に旅は順調で、68,450円の資金を得て会津若松にゴール。ゴールの要件は「目的地に到着すること」以外になかったようで、一行はめでたく「成功」となりました。

広告

「名所・名物」の定義が?

今回は「寄り道するほど、旅の資金が増えて、贅沢な旅が楽しめる寄り道旅」。タイアップと感じられる場面もあり、いわゆる「ガチンコ」とは趣が異なります。

とはいえ、1泊目の宿に泊まるには数万円を稼ぐ必要があり、そのためには利用者の少ない駅に降りなければならず、過疎地で名所・名物を探すという難題に挑まざるを得ない、という構図があり、それなりに緊張感が漂います。

一方で、視聴者の立場からすると、「名所・名物」の定義がよくわからない部分がありました。たとえば、ダムの資料館は名所で、ダムそのものが名所にならない理由などは、バラエティ番組とはいえ、もう少し視聴者にわかりやすく説明してほしいところです。

また、ゴールの要件が緩く、2日目にお金を貯める目的がはっきりしません。そのため、番組終盤はややダレた展開にも感じられました。

第2弾に期待

全体的には楽しめる番組となっていて、とくに「蛭子さんに現金」というアイデアは秀逸。番組冒頭で、高橋が「第1弾に呼んでいただいてうれしい」と発言していることもあり、シリーズ化を視野に入れているようです。

ルールの調整は必要と感じられましたが、今回は第1弾ですし、1泊2日という短い行程、そして1時間半の番組です。実験的な側面も強かったのでしょう。シリーズが続くのであれば、今回の結果を踏まえてルールが整えられていくとみられます。

視聴率は同時間帯で民放3位と堅調。ルイルイ・蛭子のコンビに根強い人気があることを証明しました。この勢いで、第2弾を楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)

広告
前の記事JR北海道が全線の被害状況を確認。石勝線・日高線などに軌道変位
次の記事日高線が心配。厚真川橋梁に最大27センチの桁ずれ