米坂線復旧、JRが上下分離など求める。「直営では難しい」

輸送密度100~200程度で

一部区間が不通となっているJR米坂線について、JR東日本は同社による運営で復旧するのは難しいという考えを示しました。

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復旧検討会議第3回会合

JR米坂線は、2022年8月の豪雨で被災し、今泉~坂町間が不通となっています。復旧について話し合う「米坂線復旧検討会議」の第3回会合が開かれ、JR東日本は4つの復旧案を初めて提示しました。

JRが示した復旧案は、①JRによる運営(被災前と同様)、②上下分離、③第三セクター方式など、④バス転換、の4つ。ただし、同社は、復旧後に鉄道の利用者が多く見込めないことから、被災前と同様にJRが運営するのは難しいという認識を示しました。

米坂線

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輸送密度100~200

あわせて、復旧した場合の2040年の鉄道利用者の試算を提示。輸送密度は坂町~小国間が109~219人(19年は169人)、小国~今泉間が167~262人(同299人)と見込まれることを明らかにしました。

復旧しても、100~200人程度の利用者数にとどまるわけです。そのため、JR東日本としては、「鉄道の特性である大量輸送性が発揮できる状況には至らなかった」と結論づけています。鉄道として残すのであれば、上下分離か第三セクターへの移管を求めた形です。

米坂線の復旧費用は86億円にのぼると見積もられています。その費用負担についても議論は先送りされたままです。沿線自治体が、復旧費用と運営費用の「二重の負担」に応じるかが、今後の焦点になっていきそうです。(鎌倉淳)

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