横浜市営地下鉄がブルーラインに新型車両4000形を導入します。運行開始予定は2022年5月の予定。一方、3000V形の増備は見送られました。
海辺の先進的な都会感
横浜市交通局は、市営地下鉄ブルーラインに新型車両4000形を導入すると発表しました。ブルーラインの新形式は40年ぶりとなります。
デザインコンセプトは「海辺の先進的な都会感」です。「凛とした佇まいとスピード感」をイメージしたデザインとなりました。
先頭車両は、従来のブルーラインの面影を残しつつ、全体的に平面や直線のエッジを際立たせました。さまざまな方向を向いた面が、見る角度とともに先頭形状の表情を変化させる作り込みで、躍動感を覚えるデザインとなっています。
室内はブルーとグレー
室内カラーリングは、床面がブルーラインのシンボルカラーであるブルー。壁面はグレーで、出入口には注意喚起色であるイエローを配置しています。
4000形のシートは、これまでの車両と同じく着座位置が分かりやすいバケットシート(へりを高めた区分シート)。座席幅を従来の470mmから480mmに拡大し、座面の材質を見直したことで座り心地を向上させています。また、シート端部の袖仕切りを大型化しました。
バリアフリー施策
ゆずりあいシートは、認識しやすいカラーリングとして床面を赤、壁面を白となっています。
バリアフリー施策として、車いす・ベビーカーエリアに二段手すりや床面表示を設けました。
防犯カメラ3台
車両間の貫通扉はガラス製で、衝突防止対策としてパターンを施しています。また、昨今の感染症への配慮などを踏まえ、車内抗菌を実施しています。
セキュリティー向上を目的として、車内防犯カメラを1両あたり3台設置しました。
3000V 形は?
ブルーラインの新型車両4000形は、2023年度までに全8編成を導入します。第1編成が2021年12月に納車され試運転等を行い、2022年5月に営業運行を開始します。2022年度に5編成、2023年度に3編成を投入し、現有の3000A形車両(3000形1次車、1992年導入)を置き換えます。
ブルーラインの3000形は5次車まで製造されました。1次車にあたる3000A形は、新横浜~あざみ野間開通に伴う運用増加分として投入され、8編成が在籍しています。
3000形のうち、もっとも新しいのが5次車3000V形で、2017年に1編成が投入されています。2018年には、川崎重工が3000V形7編成の受注を発表し、3000A形を置き換える方針が示されていました。
1編成減
しかし、結局、3000V形の増備は行われず、かわりに新形式として4000形を立ち上げたようです。交通局の令和3年度事業計画をみると、3000V形2次車製造の項目に「設計変更に伴う事業費修正」が付記されていますので、設計変更をするなかで、形式そのものを改めたようです。
結果として、3000V形は1編成のみのレア車両となるようです。それはそれで、貴重な存在感を放つかもしれません。
ブルーラインでは、2019年に事故が相次ぎ、2編成が廃車となっています。そこで当初予定の3000V形7編成のかわりに4000形8編成を増備しますので、2018年の計画よりは1編成減という計算となります。(鎌倉淳)