東京急行電鉄が、2018年度の鉄軌道事業設備投資計画を発表しました。田園都市線渋谷駅をはじめ、ホームドアの設置を拡充。また、新型車両の導入もすすめます。一方で、名車7700系は引退する見通しとなりました。
田園都市線・大井町線でホームドア設置すすむ
東急の設備投資計画によりますと、東横線、田園都市線、大井町線の全64駅で、ホームドアの2019年度中の整備完了を目指します。2018年度にホームドアを設置するのは、田園都市線渋谷駅、池尻大橋駅、桜新町駅、高津駅、梶が谷駅、たまプラーザ駅、あざみ野駅、長津田駅、つきみ野駅、大井町線自由が丘駅、九品仏駅、二子玉川駅の各駅です。
ようやく、田園都市線の最混雑駅・渋谷にホームドアが設置されるわけです。これで、田園都市線の急行停車駅でホームドア未整備は、鷺沼駅と、青葉台駅、中央林間駅のみになります。
田園都市線では、用賀~二子玉川間の折り返し設備増強も実施します。用賀駅の二子玉川寄りには現在、上り線から下り線への渡り線があります。これに加え、下り線から上り線への渡り線も整備し、輸送障害が生じたときに折り返せる列車の本数を増やせるようにします。2020年度の完成予定です。
2020系は6編成増備
2018年3月に登場した田園都市線の2020系については引き続き増備を進め、2018年度には6編成を追加投入します。2020系の更新対象となる旧型車両は8500系、8590系、2000系ですが、2018年度の更新対象は明記されませんでした。
池上線・東急多摩川線では7000系を6編成投入します。これにより、旧型車両7700系を更新します。
7700系は旧7000系を改造した車両で、世界初のオールステンレスカーとして知られています。東急が誇る歴史的名車ですが、2018年度でいよいよ引退となりそうです。
大井町線では、新型車両6020系を使い、2018年度冬から、平日夜に有料座席指定サービスを開始します。当該車両の大井町駅発長津田駅行き急行の1両を座席指定車として、19時30分から23時台に5本程度の運行を予定しています。
東横線では、デジタルATCの整備を2022年の供用開始を目指して推進。実現すれば、ラッシュ時の定時運行の実現に寄与します。
渋谷、三軒茶屋でエレベーター増設
渋谷駅では6番出入口で、地下2階から地上につながるエレベーターの運用を開始する予定です。地上出入口は大盛堂書店の前あたりです。三軒茶屋駅では、ミスタードーナツの前のエレベーターが稼働します。このほか、桜新町駅でもエレベーターが増設され、宮前平駅、江田駅でエスカレーターが整備されます。
池上駅では、築96年の駅舎を改良。改札口を橋上化し南口を新設、改札内の構内踏切を廃止します。駅ビルは5階建てとし、大田区立池上図書館を駅ビル内に移転。保育園、店舗などの導入を検討しています。
旗の台駅では、「木になるリニューアル」として、多摩産材を活用して、築66年の老朽化したホーム屋根や待合室のリニューアルを行っています。今後、駅舎の改修も予定しています。(鎌倉淳)