東急百貨店東横店が、2020年3月末で営業終了します。1934年の開業以来、86年の歴史に幕を下ろします。
1934年開業
東急百貨店は渋谷駅に直結するターミナル型デパートで、前身の「東横百貨店」が1934年に開業しました。当初は東館のみでしたが、1954年に西館、1970年に南館を増築し、3館体制となりました。
渋谷駅周辺では再開発事業が進められており、2013年3月末に東館が閉館。西館と南館のみ存続してきました。再開発の進展にともない、2020年3月に営業を終了します。ただし、地下1階の食料品売り場など一部は営業を継続します。
渋谷スクランブルスクエアに新業態
跡地には、複合施設「渋谷スクランブルスクエア」の第2期(中央・西棟)を建設します。開業予定は2027年度。その中核テナントとして「東急東横店」が復活するかどうかは、現時点では未定です。
入れ替わるように、2019年11月に、東急東横線渋谷駅跡地に「渋谷スクランブルスクエア」の第1期(東棟)がオープンします。東急百貨店は同ビルに化粧品や服飾雑貨などを中心とした新業態の売り場を出す予定です。
銀座線渋谷駅も移転
東急百貨店東横店西館3階には、メトロ銀座線渋谷駅も設置されています。百貨店閉館に先立ち、このホームも移設されます。2019年~2020年の年末年始に、移設のための最終工事を行い、2020年1月3日に新ホームの供用が開始される予定です。西館3階の現ホームは、2019年12月27日で営業終了です。
現在の銀座線渋谷駅は、到着後改札口を出ると、そのまま東急百貨店に入るという動線で、百貨店に用のない人も店内を歩く仕掛けになっていました。そんな昭和感あふれる「渋谷のターミナルデパート」を楽しめるのも、あと数ヶ月です。
昔からの建物がなくなることには一抹の寂しさを覚えますが、新しい渋谷の姿も楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)