東京~静岡を安く行く方法について、新型コロナウイルス感染症拡大後の最新情報を反映してまとめてみました。新幹線、高速バス、青春18きっぷなどについて、基本的なことから、ややマニアな行き方までご紹介します。
東京・静岡価格比較
最初に、東京~静岡間を旅行する際の価格表をまとめて掲載しておきます。詳細は順に説明していきます。
交通機関 | 価格 |
---|---|
新幹線指定席 | 6,470円 |
新幹線自由席 | 5,940円 |
新幹線回数券(自由席1枚あたり) | 5,490円 |
ぷらっとこだま | 4,800円 |
JR普通列車 | 3,410円 |
小田急+JR普通列車 | 2,590円 |
東名ハイウェイバス | 2,990円 |
東名ハイウェイバス早売1 | 2,340円 |
東海道新幹線
東京〜静岡を旅行するとき、真っ先に思い出すのがJR東海の東海道新幹線です。静岡駅に停車するのは「こだま」号と、一部の「ひかり号」です。「のぞみ」号は停まりません。
東京駅~静岡駅の所要時間は「ひかり」号で約1時間、「こだま」号で約1時間20分です。正規料金は普通車自由席が5,940円、普通車指定席が6,470円で、「ひかり」でも「こだま」でも同じ値段です。同じ値段なら「ひかり」号が早くて良さそうですが、「こだま」のほうが自由席が多く、座席指定しなくても座りやすいです。
東京~静岡間の新幹線格安チケットとして手軽なのが、新幹線回数券。自由席用が6枚綴りで32,940円、1枚あたり5,490円です。駅窓口では6枚セットでしか購入できませんが、金券ショップではばら売りしていて、5,300円~5,400円くらいが相場です。なお、指定席用の回数券は2021年3月末で販売終了ですので省略します。
東京~静岡間には、東海道新幹線の格安チケットの代表格として知られる「ぷらっとこだま」という旅行商品も設定されています。JR東海ツアーズが発売しているもので、片道4,800円です(ワンドリンク付き)。「こだま」の指定された列車にしか乗れませんが、定価より約25%OFFで格安です。
JR東海のインターネット列車予約である「スマートEX」では、定価の200円引きで新幹線に乗車できます。指定席なら6,270円、自由席なら5,940円です。また、「EXグリーン早特」なら、6,140円で「こだま」グリーン車に乗車できます。
このほかは、エクスプレス予約などの会員制チケットや学割以外に、新幹線の割引きっぷはありません。
JR普通列車乗り継ぎ
JR東海道線の普通列車で、東京~静岡間を移動することもできます。事前に時刻表を調べておけば、東京駅~熱海駅~静岡駅と1回の乗り換えで済みます。新宿から湘南新宿ラインを利用した場合は、東京駅~小田原駅~熱海駅~静岡駅といった形で、2回の乗り換えになります。
東京駅~熱海駅~静岡駅と乗り継いだ場合の所要時間は約3時間10~20分です。JRの普通運賃のみで乗車でき、価格は3,410円です。
春、夏、秋の学休期なら、青春18きっぷを使うという手もあります。青春18きっぷは5日分セットで1日あたり2,410円なので、東京~静岡の普通運賃よりも安いです。ただ、1日分だけをJR駅窓口では買えません。金券ショップで購入する場合、1日あたり3,000円くらいになることもありますが、それでも定価より安いです。
青春18きっぷの利用期間は、3月1日~4月10日、7月20日~9月10日、12月10日~1月10日の年3回です。
小田急+JR乗り継ぎ
普通列車利用なら、小田急で新宿駅~小田急駅、JR東海道線で小田原駅~熱海駅~静岡駅と乗り継ぐ方法もあります。普通列車といっても、小田急では料金不要の急行や快速急行を利用します。
所要時間は約3時間30分~40分で、JR東海道線の横浜経由に比べると時間はかかります。運賃は小田急線900円、JR線1,690円で、合計2,590円です。
小田急線の株主優待券を金券ショップで購入すると、さらに安くなります。販売価格は店により異なりますが、600円程度です。仮に小田急の株主優待券を600円で入手した場合、新宿~静岡間は2,290円となり、青春18きっぷ1日分より安くなります。
新宿など東京西部エリアから静岡を目指す場合、小田急経由にすると節約効果が高いです。
特定特急券区間を活用する
普通列車ばかりだと、東京~静岡間は3時間以上かかりますが、少しだけ時間を短くしたいなら、一部区間で新幹線を活用する方法もあります。新幹線には隣駅区間(かつて隣駅だった区間も含む)では割安な特定特急料金が設定されているからです。
たとえば、三島~静岡間の特定特急料金は990円(自由席)です。同区間を普通列車に乗れば約1時間かかりますが、新幹線なら約15分です。東京~静岡間をJR普通列車と三島~静岡間のみ新幹線で移動する場合、運賃3,410円+特定特急料金990円で合計4,400円となります。
小田原まで小田急を利用する場合、新宿~静岡間が運賃2,590円+三島~静岡間の特定特急料金990円で、合計3,580円となります。新宿~小田原が小田急、小田原~三島がJR在来線、三島~静岡が新幹線です。
ただ、三島での待ち時間を考えると時間の節約にはあまりなりませんし、面倒かもしれません。
高速バス
東京~静岡間の移動では、高速バスも有用です。JRバス、しずてつジャストラインなどが、東京駅~静岡駅や、バスタ新宿・渋谷マークシティ~静岡駅に高速バスを運転しています。所要時間は約3時間~3時間30分です。
東京駅~静岡駅間のJR「東名ハイウェイバス」の価格は2,990円で、前日までの早売1なら2,340円です。新幹線に比べると時間は倍以上かかりますが、価格は半額程度です。JR普通列車乗り継ぎよりも安く、価格は青春18きっぷ並みといったところでしょうか。
高速バスは、JR普通列車のような乗り換えはありませんし、シートも普通列車よりは快適です。3時間程度ならそれほど疲れませんし、便利さと手頃さのバランスがとれているといえそうです。
使う人は少ないようですが、夜行バス「ドリーム静岡・浜松号」もあります。東京駅~静岡駅の所要時間は約5時間30分。価格は3,360円~3,770円で、早売5なら3,000円~3,500円です。
東京駅23時発で、静岡駅4時30分着。静岡駅発23時59分で、東京駅着6時10分です。時間が短すぎてあまり寝られないと思われますし、昼間のバスより高いですが、夜間に移動したい人には便利でしょう。
東京~静岡間を安く行く方法まとめ
では、東京~静岡間を安く行く方法をまとめてみましょう。
東京~静岡間の移動で安さににこだわるなら、JR高速バスの早売1がおトクです。2,340円は格安といっていいでしょう。鉄道で安く行きたいなら、小田急+JR東海道線の乗り継ぎが最安値です。3時間半くらいかかりますが、1回あたり2,590円は安いでしょう。小田急の株主優待を金券ショップで購入できれば、2,300円程度で行くことができます。
スピード重視なら、いうまでもなくJR新幹線です。自由席の定価で6,000円近い価格ですが、1時間ほどで到着できるスピードは魅力です。「こだま」でいいなら、JR東海ツアーズの「ぷらっとこだま」を使えば、4,800円なので値頃感があります。(鎌倉淳)