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「徳島~東京」を鉄道で移動してみた。意外と近いが、やっぱり遠い

浜松あたりで疲れてきた

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徳島に所用があり日帰りしてきました。往路は飛行機でしたが、復路は「特急+新幹線」の鉄道利用です。いまどき徳島~東京間を列車で移動する人も少ないでしょうが、そこで感じたことを書いてみます。

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飛行機なら約3時間

東京~徳島は、飛行機で1時間10分ほど。空港アクセスや待ち時間を含めても、都内から徳島市街地まで3時間ほどで移動できます。

これに対し、新幹線「のぞみ」と特急「うずしお」を岡山で乗り継いだ場合、東京駅~徳島駅は好接続でも5時間40分程度はかかります。徳島~新神戸間を高速バス利用にした場合で、5時間程度です。

価格については、以下のようになります。飛行機はJALの9月1日(土)で検索してみました

JR(岡山乗り継ぎ「うずしお」「のぞみ」指定席) 19,630円
JR+高速バス(新神戸乗り継ぎ「のぞみ」指定席) 18,400円
JAL先得 11,890円~15,190円
JAL特便割引 17,890円~28,290円
JAL普通運賃 33,390円

ご覧の通り、格安チケットが取れれば飛行機が安く、取れなければ「JR+高速バス」が安いです。つまり、「うずしお+のぞみ」は安くもなく時間はかかるので、徳島~東京間の移動の選択肢には入りにくそうです。

うずしお

「うずしお」岡山行きに乗ってみる

筆者は7月のある日、所用で徳島を訪れました。16時過ぎに用が済んだので、JR四国の経営支援もかねてJRのみで帰京することにしました。徳島駅16時46分発の岡山直通特急「うずしお22号」に乗れば、1回乗り換えで東京まで到達できます。

この日の「うずしお22号」はN2000系2両編成。徳島出発時の利用者は、自由席の片側がすべて埋まる程度で、乗車率50%といったところでしょうか。定員は100人弱ですので、乗客は40~50名です。

徳島駅は改札口前のホームから出発。西日が強く、夏の夕方の太陽が容赦なく照りつけます。列車の進行方向がよく変わるので、両側の窓のカーテンが、どんどん閉じられていきました。そのため車内は薄暗く、冷房が適度に効いて乗客の眠気を誘います。

うずしお車内

高松までの高徳線は単線ながら、交換待ちはほとんどなく快調です。単線非電化という前世紀のインフラを、がんばってフル活用して高速で走り抜けていきます。この列車は徳島~高松間を58分で結んでおり、表定速度は77km。単線非電化区間の特急列車としては俊足です。

板野、三本松と乗り降りはほとんどなく、志度と栗林で少しずつ降り、高松で乗客の大半が下車。特急「うずしお」の利用者は、徳島市から高松市周辺へ向かう人が多く、本州までの利用者はわずかなようでした。

「うずしお22号」は、高松で方向転換し、宇多津まで座席の向きと逆方向に走ります。宇多津で「南風22号」と連結し、再び方向転換して岡山に向かいます。2度の方向転換をするJR特急は、定期列車では「うずしお」だけです。

うずしお、南風連結

高松からの乗客はほとんどおらず、車内は空気輸送の赴き。瀬戸大橋線を抜けて、終点岡山には18時47分の定時に着きました。徳島から岡山まで乗り通した客は、10人程度という印象です。

総所要時間は5時間37分

岡山駅では19分の接続で、19時08分「のぞみ186号」に乗り継ぎます。駅構内で駅弁を購入して乗車しました。

のぞみ

「のぞみ」はそれほど混雑もしておらず、E席にてゆっくり夕食を摂ります。岡山時点で隣席は空席でしたが、京都から乗車があり、ちょっと身体の大きめの男性が座りました。

新幹線の普通車は、前後間隔はゆったりしていますが、横幅は広いとはいえません。正直なところ、隣に身体の大きな人が座ると、少し窮屈です。

途中までは読書で時間を感じませんでしたが、浜松あたりでさすがに座り疲れてきて、熱海を過ぎて眠りに陥り、22時23分、品川着。夜遅いこともあり疲労を感じました。

「やっと着いた」という達成感はあるものの、やっぱり人にはおすすめできません。

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だんだん苦行に

今回の旅行の総所要時間は5時間37分でした。

ちなみに、飛行機を使う場合、徳島駅を19時05分に出る空港バスに乗れば、22時17分に京急品川駅に到着できます。飛行機の所要時間は3時間12分で、列車との差は2時間25分。小さな差ではありません。

私も往路は飛行機を使ったのですが、離陸してしまえばあっという間で、「意外と徳島は近いな」という印象。復路の新幹線も、隣席が空いていた京都までは快適で、「列車の旅も悪くない」と楽しんでいましたが、そこから先が窮屈で、だんだん座り続けるのが苦行になってきました。

徳島から東京へ約5時間半の列車旅は、「意外と近いが、やっぱり遠い」という感想です。

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四国新幹線が開業したら?

さて、四国4県は、四国新幹線の誘致を進めています。現在の構想は、岡山から四国4県の県庁所在地を新幹線で結ぶ形です。

四国新幹線ルート図
画像:四国新幹線整備促進期成会

仮にこれが実現したら、今回私が旅した「徳島~岡山~東京」が新幹線で結ばれるわけです。四国新幹線整備促進期成会の資料によりますと、徳島~新大阪間が1時間35分、徳島~東京間が4時間3分になるそうです。現行より約1時間30分の短縮が図られます。

実現した場合、新大阪~岡山~高松~徳島という系統の列車が設けられるでしょう。編成両数は6~8両でしょうか。東海道新幹線には16両しか乗り入れさせないという現在のルールが変わらないなら、四国新幹線は新大阪止まりになり、東京方面へは乗り換えが必要になります。

仮に東京駅まで乗り入れできて、東京駅~徳島駅が直通約4時間となれば、飛行機をやめて新幹線を利用する人も出てくるでしょう。しかし、新大阪乗り換えで4時間以上となれば、新幹線の劣勢は否めません。

また、対大阪で考えた場合、徳島から所要時間2時間20分の高速バスが競合になります。仮に新幹線が開業して新大阪まで1時間半でつながったとしても、料金差を考えれば、高速バスから旅客を奪うのは容易ではなさそうです。

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鉄道網をどう維持するか

改めて言うまでもありませんが、徳島から瀬戸大橋経由で大阪、東京へ移動する行程は大回りです。となると、瀬戸大橋から徳島へ新幹線を建設するのは、やはり意味がない気がします。

新幹線をどうしても作るなら、淡路島経由にこそ価値があります。明石海峡や紀淡海峡に橋かトンネルが要るので巨費がかかりますが、作るなら役に立つものを作るべきで、中途半端な瀬戸大橋経由で建設する意味は薄いように思われます。

四国において鉄道網をどう維持していくかが、いま大きな課題として横たわっています。前世紀に作られたインフラを、そろそろ更新していく必要がありそうなことは、今回の旅でも感じました。

問題はその手段で、新幹線建設は解決の一つのカギになると見られますが、実際のところ、巨費に見合う効果があるのかは、なんとも言えません。(鎌倉淳)


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