東海道新幹線の4月の利用状況が、前年度比89%減となりました。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発出により、利用者減少が顕著になっています。
「ひかり」は9%
JR東海が発表した月次情報によりますと、東海道新幹線の4月1日~26日の利用状況は、東京口が、前年比11%となりました。内訳は、「のぞみ」が11%、「ひかり」が9%、「こだま」が16%です。「ひかり」の減少幅がもっとも大きくなりました。
大阪口も同じく前年比11%で、東京口、大阪口ともに前年比89%の大幅減です。
在来線は特急等が前年比12%、名古屋近郊が43%です。通勤・通学輸送も前年比で半分以下の数字となりました。
山陽・九州新幹線も激減
4月に入ってからの月次情報では、JR西日本が4月1日~7日について発表しており、山陽新幹線が前年比24%でした。
JR九州は4月1日~20日について発表しており、九州新幹線が前年比24.5%でした。JR九州は期間別の内訳も公表しており、4月1日~7日が37.3%、8日~16日が19.2%、17日~20日が11.5%となっています。
新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言発出が4月7日、全国拡大が16日でしたので、それに応じて利用者が激減していることがわかります。
東海道、山陽、九州新幹線と、それぞれ別の区間なので単純比較はできませんが、緊急事態宣言後に、新幹線の利用状況はどの路線もおおむね前年比1割程度に落ち込んでいるようです。
JR東海が27日に発表した2020年1~3月期の連結決算は、純利益が前年比85%減の97億円と落ち込みました。2021年3月期の業績予想も未定とし、配当の予想も見送っています。
JR東日本は4月の利用状況を公表していませんが、5月末以降の新幹線指定席の販売を見合わせることを発表しました。JR各社とも厳しい状況が続きます。