東北新幹線、運休長期化へ。高架橋も損壊、3月中の運転再開は困難に

在来線で代替輸送計画

3月16日の東北地方の地震で被災した東北新幹線の被害状況が明らかになってきました。高架橋が損傷するなどしており、復旧には時間がかかる見通しです。

広告

脱線と設備損壊

2022年3月16日の東北地方の地震により、白石蔵王駅付近を走行中の「やまびこ223号」が脱線。17両のうち16両が脱線し、68の車軸のうち60基がレールを外れました。

設備の被害も激しく、これまでに電柱折損(仙台~古川間)、軌道変位(福島~白石蔵王間)、高架橋損傷(同)、電柱傾斜・圧壊(同)、駅設備破損(福島駅)といった被害が確認されました。

東北新幹線被害
画像:JR東日本

東北新幹線被害
東北新幹線被害
画像:JR東日本

東北新幹線被害
画像:JR東日本

3月中の復旧は困難

JR東日本では、3月17日夕方に市川東太郎副社長が会見。福島~仙台間で被害が大きいことを説明し、3月中の全線復旧は困難という見通しを明らかにしました。

過去の地震による新幹線の運休期間は、阪神・淡路大震災の山陽新幹線が81日、新潟県中越地震の上越新幹線が66日、東日本大震災の東北新幹線は49日でした。

今回の地震の被害は大きいとはいえ、東日本大震災ですら49日で復旧したことを考えると、4月中には復旧すると思いたいですが、現時点では具体的な運転再開時期は見通せません。

広告

「いなほ」延長運転

東北新幹線は、東京~那須塩原間と盛岡~新青森間が当面臨時ダイヤで運転し、那須塩原~盛岡間は運休します。

東北新幹線の運転再開まで、東北本線・常磐線で臨時列車を運転する予定ですが、詳細は発表されていません。常磐線は、広野~山下駅間が復旧していません。

羽越線では、酒田発着の「いなほ5号」「50号」が、酒田~秋田間を延長運転します(延長区間は快速)。

航空各社や高速バス会社も、首都圏~東北間に臨時便を出しています。

広告
前の記事津軽鉄道がNHK「ドキュメント72時間」に登場。真冬の列車に密着
次の記事「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第7弾 松戸駅~飯岡灯台を分析する。勝負を分けた「小さなミス」