都営浅草線の新型車両5500系が2018年に登場へ。アクセス特急で成田空港へ行くのが快適になる?

東京都交通局は6日、都営浅草線に新型車両5500形を導入すると発表しました。2018年春頃に第一編成が登場し、以後、都営浅草線の既存車両5300形の27編成を新型車両へ置き換えていきます。

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歌舞伎をイメージしたデザイン

新型車両5500形のコンセプトは、「日本らしさとスピード感が伝わる車両」。沿線にある歌舞伎座にちなんで、歌舞伎の隈取りを現代風にアレンジしたデザインとなりました。車両横には「ASAKUSA LINE」の文字が入ります。路線名が車体に入るのは、相互乗り入れをしている地下鉄路線としては珍しいです。

車内のシートは、座席幅を広くとって座りやすくするとともに、座席端の仕切りを大型化しています。着席時の快適性は上がりそうですが、ドア横のスペースが拡大されるので、1列あたりの座席定員は減りそうです。

浅草線5500系

空気清浄機能も導入

立ち客への配慮としては、手すりや吊手の数を増やし、荷物棚の高さも下げます。ドア上の液晶モニターは2枚で多言語対応。外国人向けにも充実した案内を提供する予定とのこと。また、空調の冷房能力を強化し、空気清浄機能も導入します。照明は全てLED化されます。

最近の鉄道車両は、ベビーカーや車いすが置きやすい「フリースペース」を増やす傾向にありますが、都営5500系も全車両にフリースペースを設置します。

都営浅草線の場合、空港利用客も多いので、スーツケースを置きやすいフリースペースは重要でしょう。ドア横スペースの拡大も、乗降をスムーズにするためだそうですが、大きな荷物を置きやすくする目的もあるとみられます。

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内装は「江戸っぽい」雰囲気に

内装は、「和の雰囲気の中にも遊び心のあるデザイン」としています。座席柄が「寄せ小紋」、座席仕切りの柄は江戸切子、壁面の柄は和紙、といったデザインです。

カーテンには沿線をイメージさせるイラスト取り入れ、提灯や隅田川の花火、歌舞伎の隈取りなどが描かれます。車内は、「江戸っぽい」雰囲気になりそうです。

浅草線5500系車内

「白い悪魔」は姿を消していく

車両はステンレス製で、最高速度は120km/hとなります。これまでの5300系より10km/hのスピードアップです。これにより、京急本線の三崎口方面への快特や京成スカイアクセス線のアクセス特急での運用が可能になります。

実際にこれらの種別で運用されるかは未発表ですが、空港客に配慮した車内設備をみると、アクセス特急に投入されるのは間違いなさそうです。5500系は座り心地が改善され、荷物も置きやすくなるようなので、成田空港へ行くのが少し快適になるかもしれません。

5500形は、2017年度末までに1編成8両がデビュー。続く2018年度には7編成56両が導入されます。その後も、新型車両を順次導入して車両更新を進めていくとのことです。一方で、現役の「白い悪魔」5300形は、少しずつ姿を消していきそうです。(鎌倉淳)

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