原鉄道模型博物館では、「きかんしゃトーマススペシャルギャラリー」と題する催しを行っています。最近では恒例になりつつあるイベントのようですが、改めて「トーマス」の威力を再認識しました。
世界屈指の鉄道模型博物館
原鉄道模型博物館は、横浜市のみなとみらい地区にある施設です。鉄道模型製作・収集家の原信太郎(1919-2014)の鉄道模型コレクションを収蔵・展示しており、鉄道模型博物館としては世界屈指の規模として知られています。
そんな本格的な鉄道模型博物館で、2017年12月2日~2018年2月3日まで、「きかんしゃトーマススペシャルギャラリー」という催しが開かれています。クリスマスバージョンの「トーマス」の鉄道模型が運行したり、「トーマス」が走るプラレールが展示されています。
開催初日に行ってみました。入口では、ご存じ、トップハム・ハット卿がお出迎えしてくれます。
お目当てはやっぱり「トーマス」
原鉄道博物館は、おもに3つの展示室と、2つのジオラマで構成されます。
第一展示室は、原模型のなかでも真髄といえる作品を展示。第二展示室はテーマ別の模型展示、第三展示室は、模型以外の鉄道関連収集品が収められています。
一方、ジオラマは、一番ゲージと呼ばれる大型模型のジオラマ「いちばんテツモパーク」と、HOゲージの「横浜ジオラマ」があります。
原鉄道博物館の白眉といえるのが、「いちばんテツモパーク」です。この時期は、クリスマスに装飾され、機関庫には「トーマス」とその仲間たちが停まっています。
しかし、子どもたちにとっては、価値の高い模型展示よりも、特設のトーマスエリアが人気。とくに、トーマスが走るプラレールの展示が、幼児たちを惹きつけていました。
小学校高学年を過ぎると違ってくるようですが、少なくとも幼児には、本格的な鉄道模型よりもプラレールのほうがわかりやすいのでしょう。
大井川鐵道では救世主
「いちばんテツモパーク」でも、子どもたちのお目当ては実存車両のレプリカではなく、「トーマス」とその仲間たちの模型のようです。とくに、クリスマスデザインの「トーマス」が走ってくると、歓声が上がります。「トーマス」の吸引力を、改めて見せつけられた気がしました。
「きかんしゃトーマス」といえば、大井川鐵道で実物の蒸気機関車が「トーマス」や「ジェームス」に扮して走行し、子連れに人気を博しています。経営の苦しい大井川鐵道では、「トーマス号」は、今や救世主的存在といってもいいでしょう。
そして、原鉄道博物館においても集客力を発揮しています。「子鉄」を引き付ける力なら、「トーマス」の右に出る者はいないかもしれません。いまさらながら、その威力、恐るべし。
「トーマス」に限った話ではありませんが、こうしたキャラクターの力を、鉄道の活性化に、これからもっと活用していくことになるのでしょう。(鎌倉淳)