「熊本空港連絡鉄道」の検討を再開へ。空港利用者増を見込む

熊本県知事が答弁

熊本県が、熊本空港(阿蘇くまもと空港)と熊本市内をつなぐ連絡鉄道の検討を再開することを明らかにしました。沿線住民の増加や、インバウンド、空港民営化などによる利用者増を見込んだものです。

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三里木駅からの分岐計画

熊本空港はJR豊肥線の肥後大津駅から約6km離れた位置にあり、豊肥線から分岐する鉄道を建設すれば、熊本市内へのアクセス鉄道をつくることができます。

実際、熊本県は過去に豊肥線から熊本空港までの連絡線を検討したことがありました。三里木駅から分岐させ、県民総合運動公園やテクノリサーチパークを経て熊本空港に至るルートです。2004年度におこなった検討では、総事業費を286億円と試算しました。

検討の結果、総事業費が高額なことや、完成させても十分な利用者数を確保できず赤字も見込まれたことから、県は2007年度に計画を凍結。肥後大津駅から熊本空港へシャトルバスを運行して連絡する施策に軸足を移しています。

熊本空港
写真:熊本県ホームページより

環境変化受け再検討

しかし、読売新聞2017年12月3日付によりますと、12月1日の県議会で、蒲島郁夫県知事は「空港と周辺地域のポテンシャルを最大化するには、将来を見据えた抜本的なアクセスの検討が必要」と答弁。空港アクセスの改善に意欲をみせました。

沿線住民の増加や、インバウンドなどによる空港利用者増といった環境変化、さらには2020年度にも実施される民営化を控え、熊本空港のアクセス改善を目指すものです。検討課題としては、周辺道路の整備なども含まれ、鉄道アクセスに限定した内容ではなさそうです。

熊本市内から熊本空港へは、現在バスを使って1時間ほどかかり、ラッシュ時には渋滞することもあります。豊肥線から分岐するアクセス線ができた場合、熊本駅から45分程度で到着できるでしょう。実現するかは不透明ですか、期待したい空港アクセス鉄道です。

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