鉄道各線、2019年台風19号で大きな被害受けた路線まとめ【暫定版】

まだよくわからない路線も

鉄道各線が、台風19号で大きな被害を受けています。大きな被害を受けた路線について、各社が発表した内容や、報道、SNSの情報も含めて被害状況をまとめてみます。一部内容は非公式で、間違っている可能性もありますので、ご利用の際はご自身でお確かめください。

広告

北陸新幹線

長野市内を流れる千曲川が氾濫した影響で、北陸新幹線長野車両センターが浸水被害にあいました。留置中の北陸新幹線E7/W7系の10編成、あわせて120車両が水につかったと報じられています。10編成のうち、7編成が屋外に、3編成が屋内にありましたが、いずれも被害にあいました。

北陸新幹線の全車両の3分の1が被害にあったことになります。工場の機器類も被害にあったとみられますが、詳細はわかっていません。

北陸新幹線は、東京~長野間と、糸魚川~金沢間で折り返し運転をしています。全線の復旧は見通せません。復旧後も、列車本数を減らした上で運行されるとみられます。

2019年台風19号被害
画像:JR東日本

中央本線

中央本線の四方津~梁川間において、山の斜面で土砂崩れが発生し、下りの線路上に大量の土砂が流れ込みました。このため、高尾~大月駅間の上下線で当面の間運転を見合わせます。特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」は全区間で運休しています。

横須賀線

横須賀線の武蔵小杉駅は、駅構内が冠水し、自動改札機などが使えなくなりました。このため、JR東日本では、横須賀線運転再開後も武蔵小杉駅は通過の措置をとりました。10月14日からは、南武線改札を使うなどして運用を再開しているようです。

両毛線

両毛線では大平下~栃木間で、永野川に架かる鉄橋の橋台の背面が流出し、足利~小山間で長期間運転を見合わせます。

水郡線

水郡線には、複数の橋梁に被害が出ています。袋田~常陸大子間の第六久慈川橋梁で橋桁が流出。朝日新聞によると、西金~上小川間の第二久慈川橋は傾き、磐城浅川~里白石間の第二社川橋にも流出被害が出ているとのことです。

東北本線

東北線では、線路下の砂利や地盤が流失するなど深刻な被害が相次ぎ、新白河~岩沼間で運行再開に見通しが立っていません。

磐越東線

磐越東線も被害が大きく、全線で復旧まで時間がかかるようです。

磐越西線

磐越西線は、台風の影響で、馬下~喜多方駅間の上下線で運転を見合わせています。

広告

吾妻線

吾妻線は、長野原草津口~大前駅間の上下線で長期間運転を見合わせるとのことです。詳細な状況は発表されていませんが、土砂崩落がなどが発生したようです。

小海線

小海線は、滑津〜北中込間で鉄橋の一部が損壊するなどの被害が発生したようです。全線で運休しており、復旧見通しなどは示されていません。

篠ノ井線

篠ノ井線の被害状況ははっきりしませんが、台風の影響で、篠ノ井~明科駅間で運転を見合わせています。

飯山線

飯山線の被害状況もはっきりしませんが、台風の影響により全線で運転を見合わせています。

広告

小田急電鉄

小田原線の渋沢~新松田間で線路の土砂が流出しました。このため、秦野~新松田間で運転を見合わせています。運転再開見込みは未定です。

箱根登山鉄道

箱根登山鉄道は、土砂崩れによる橋脚流失や電柱崩壊、道路からの雨水流入による道床流出などが発生しました。全線で運休中で、復旧には長期間要するとしています。

京王電鉄

高尾線と動物園線で土砂流入などの被害を受けました。高尾線は14日中に復旧する見通しですが、動物園線は土砂崩壊の影響が大きく、復旧見込みは示されていません。

東武鉄道

日光線では、静和~新大平下間で線路砕石が流出しました。北鹿沼~板荷間では築堤が崩壊しています。このため、南栗橋~栃木間および新鹿沼~下今市間で運転を見合わせています。復旧には相当日数かかる見込みです。

佐野線では、渡瀬~田島間で線路砕石が流出しており、全線で運転を見合わせています。こちらも復旧には相当日数かかる見込みです。

しなの鉄道

しなの鉄道では、大屋~田中間の線路上空の海野バイパス跨線橋が崩落したため、安全確認に相当の時間を要する見込みとのこと。また、屋代高校前~篠ノ井間の千曲川橋梁の安全確認が、増水のため行うことができていません。北しなの線では、千曲川堤防決壊のため、線路や電力設備が冠水しており安全確認が行えず、復旧のめどが立っていません。

上田電鉄

上田電鉄では、千曲川の堤防の一部が崩れた影響で、上田~城下間の千曲川橋梁が崩落しました。線路の一部も被害にあっており、復旧は見通せません。

えちごトキめき鉄道

妙高はねうまラインの関山~二本木間で線路脇の土砂が流出したため、二本木~妙高高原間で運休しています。

阿武隈急行

阿武隈急行は計27カ所で土砂崩れや陥没などの被害が発生し、梁川~槻木間が当面運休となる見通し。福島~梁川間は、安全確認後に運転を再開する予定です。

今回の台風19号の被害は広範囲にわたっており、鉄道各社、報道とも手が回っていない様子がうかがえます。そのため、情報が断片的で、まだ被害の全容がよくわかりません。特に、長野地区の被害状況がはっきりしません。早期の復旧を祈念いたします。(鎌倉淳)

【追記】
鉄道各線、2019年台風19号で大きな被害を受けた路線まとめ【改訂版】もご覧ください。

広告
前の記事上野動物園のモノレールにさよなら乗車してきた。今月末に運休へ
次の記事鉄道各線、2019年台風19号で大きな被害受けた路線まとめ【改訂版】