相鉄と東急が直通運転する新線の名称が「相鉄新横浜線」「東急新横浜線」と決定しました。それより先に開業する相鉄とJRが直通運転する路線の名称はどうなるのでしょうか?
2022年度に全通予定
相模鉄道と東京急行電鉄は、建設中の神奈川東部方面線の路線名称について、相鉄の営業区間を「相鉄新横浜線」、東急電鉄の営業区間を「東急新横浜線」とすると発表しました。
神奈川東部方面線とは、相鉄線西谷駅から羽沢横浜国大駅、新横浜駅を経て、東急東横線日吉駅に至る新線です。
この路線名について、相鉄の営業する西谷~新横浜間が「相鉄新横浜線」に、東急の営業する新横浜~日吉間が「東急新横浜線」になるわけです。両路線を一体的に「新横浜線」と呼べるように、名称を揃えたのでしょう。
運行系統は?
相鉄、東急の両社は「新幹線アクセス拠点として知名度の高い新横浜エリアに直結する路線であることをわかりやすく表現するため」と選定理由を説明しています。
両路線は2022年度に全通する予定で、相鉄線と東横線で直通運転がおこなれます。
運転本数は朝ラッシュ時間帯に毎時10~14本程度、その他の時間帯に毎時4~6本程度です。日中は10~15分間隔の計算になります。
詳細な運行系統は明らかではありませんが、直通運転用の車両(20000系)が10両編成と8両編成で用意されることから、相鉄から東急東横線と目黒線へ、それぞれ直通列車が設定されそうです。
相鉄・JR直通線の名称は?
相鉄新横浜線は、2019年度下期に西谷~羽沢横浜国大間で部分開業する予定で、このときにJR線との直通運転が開始されます(相鉄・JR直通線)。JR線の直通先は湘南新宿ラインが想定されていて、相鉄から新宿方面へ列車が走ります。
こちらは朝ラッシュ時に毎時4本、日中に毎時2~3本の直通列車が運転される予定です。
相鉄・JR直通線は、2020年3月のダイヤ改正で開業しそうですが、JR区間の路線名(愛称)は未定です。JRから見れば武蔵小杉~羽沢間の新路線を設定しますので、何か名前は付けるでしょう。
相鉄・JR直通線は新横浜を通らないので、JRが「新横浜線」を使うことはなさそうです。相鉄サイドから見ても「新横浜線」は東急方面の呼称とし、JR方面には別の呼称があったほうがわかりやすいでしょう。
JR東日本の路線愛称名
「高輪ゲートウェイ駅」のように公募が行われることはなさそうなので、どんな名称になるか、当サイトで勝手に考えてみます。
その前に、JR東日本が付けた路線愛称名を見てみましょう。
・はまなすベイライン大湊線
・うみねこレール八戸市内線(八戸線・八戸~鮫間)
・十和田八幡平四季彩ライン(花輪線)
・銀河ドリームライン釜石線
・奥の細道湯けむりライン(陸羽東線)
・奥の細道最上川ライン(陸羽西線)
・ドラゴンレール大船渡線
・フルーツライン左沢線
・山形線(奥羽線・福島~新庄)
・仙石東北ライン(東北線・仙石線)
・ゆうゆうあぶくまライン(磐越東線)
・森と水とロマンの鉄道(磐越西線)
・奥久慈清流ライン(水郡線)
・宇都宮線(東北線東京~黒磯)
・上野東京ライン(東京~上野ほか)
・湘南新宿ライン(大宮~横浜ほか)
・東京アドベンチャーライン(奥多摩線青梅~奥多摩)
・八ヶ岳高原線(小海線)
ご覧の通り、「ライン」が多いです。大都市近郊では「仙石東北ライン」「上野東京ライン」「湘南新宿ライン」と「ライン」だらけ。最近は奥多摩線に「東京アドベンチャーライン」という愛称も付けられています。
となると、相鉄・JR直通線も「相鉄新宿ライン」「羽沢新宿ライン」あたりが候補になります。相鉄からの列車が埼京線に乗り入れるなら、「羽沢埼京ライン」も考えられます。
支線に独立系統名を付けるか
難しいのは、相鉄・JR直通線は、湘南新宿ラインや横須賀線の支線である点です。新宿駅を起点に考えれば「湘南新宿ラインを経て羽沢横浜国大駅に行く路線」にすぎません。
中央線の先にある青梅線みたいなものなので、新宿から羽沢横浜国大まで、独立した系統名は付けづらいという事情があります。となると、武蔵小杉~羽沢横浜国大の路線としてネーミングを考えることになります。
「羽沢線」がシンプル
JRから見れば、新線の終点は羽沢横浜国大駅なので「羽沢線」がシンプルなネーミングです。羽沢がどこかわかりにくい、という意見もありそうなので「横浜羽沢線」「かながわ羽沢線」なども候補でしょうか。
最近は文教的ネーミングがブームなので「横浜国大線」もありそうです。横文字好きなJR東日本なら「横浜カレッジライン」なども考えられそう。
単純に武蔵小杉~羽沢を結ぶ路線と考えて「小杉羽沢ライン」「羽沢小杉ライン」。漢字を一文字ずつとって「小沢線」「小羽線」「杉羽線」「杉沢線」も悪くないと思いますが、近年、こうしたネーミングはされない傾向があります。
旧国名を使うなら「武相線」や「相模武蔵ライン」が浮かびますが、さすがに平成も終わっている時代に開業する路線に旧国名を使わない気もします。
横浜市神奈川区を主に走る
JR・相鉄直通線は、横浜市神奈川区を主に走り、神奈川県央部へのアクセスも担う路線です。この地理に注目するなら、「かながわ中央ライン」とか……、バスみたいだからボツですね。
神奈川県と横浜市のシンボルであるイチョウを入れて「かながわイチョウ線」。イマイチですが、あり得なくないのが恐ろしい。
いろいろ考えましたが、「これだ!」というネーミングは思いつきませんでした。
大宮駅の案内板の情報
と、ここまで書いて、12月17日に記事公開したのですが、その後、次のツイッターの投稿を見て、考えが変わりました。
大宮駅の埼京線の案内表示が変わっていました。これを剥がせば「相鉄線」っていう字が出てくるんですかね?とにかく相鉄直通用に変えたのは間違えないです。 pic.twitter.com/88GrAW9SLW
— 埼京通信 (@kamuiichirou1) 2018年12月16日
大宮駅の案内板では、「相鉄線方面」と準備されているようです。それ以外の路線名はありません。これの意味するところは、埼京線を羽沢横浜国大駅まで延伸する、ということでしょう。
つまり、埼京線の愛称を大宮~羽沢横浜国大間に拡大するわけです。そうすると、新宿駅でのアナウンスも、「相鉄線直通海老名行きの埼京線」と「りんかい線直通新木場行きの埼京線」というわかりやすい案内に分けられます。
相鉄線からみれば、東急線方面を「新横浜線」、JR線方面を「埼京線」と呼べばわかりやすいです。相鉄のJR線直通用車両は10両編成で、湘南新宿ラインの大宮方面には乗り入れないとみられていますので、全て埼京線直通と割り切れば、こうしたネーミングが可能になるわけです。
埼京線延伸
ということで、当サイトによる、勝手な予想を上げておきます(12月22日修正版)。
本命 埼京線
対抗 横浜カレッジライン
対抗 羽沢小杉ライン
対抗 羽沢線
大穴 かながわイチョウ線
当初の記事では本命を「羽沢線」としていましたが、予想修正で本命を埼京線に変更しておきます。つまり、相鉄・JR直通線は、「埼京線の羽沢横浜国大駅延伸!」と告知されると考えます。どうなることでしょうか。(鎌倉淳)