相鉄が「どっちも定期」を商標出願。複数ルート定期券を発売か

横浜経由と羽沢横浜国大経由

相模鉄道が「どっちも定期」の言葉を含む商標を出願しました。横浜経由とJR・東急直通線経由の両ルートで使える定期券を発売する準備とみられます。

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2月に出願

相模鉄道が出願したのは「そうてつどっちも定期」と「YOKOHAMAどっちも定期」の2つ。出願日はいずれも2022年2月25日で、指定役務は「鉄道による輸送,車両による輸送」です。

相鉄線は2019年11月にJR線と直通を開始し、羽沢横浜国大経由で新宿への乗り入れを果たしました。また、2023年3月には新横浜経由で東急線への直通運転を予定しています。

現時点で相鉄から公式発表はありませんが、「どっちも定期」は、JR・東急直通線と相鉄本線で使える、複数ルート定期券の愛称に用いられるとみられます。

相鉄直通線
画像:相模鉄道

2023年3月東急直通

JR直通線、東急直通線とも、相鉄沿線から都心への利便性は向上するものの、定期券利用者が、商業施設が集積する横浜を経由しづらくなるという側面があります。

また、JR直通線は運転本数が少ないため、列車間隔が空く時間帯は横浜経由のほうが便利ですが、定期券のルートが直通線経由の場合、横浜を経由すると別運賃がかかってしまいます。

複数ルート定期券は、こうした直通線利用のネックを解消する目的で設定され、直通線と相鉄本線の両方で使える形になるとみられます。

相鉄12000系

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横浜経由も、羽沢横浜国大経由も

複数ルート定期券の詳細は定かではありませんが、たとえばJR直通線の場合、渋谷~西谷間を含む定期券区間の場合、横浜経由でも羽沢横浜国大経由でも「どっちも」使えるという形になるのでしょう。

東急直通線の場合は、日吉~西谷間を含む定期券区間の場合、横浜経由でも新横浜経由でも「どっちも」使えるという形になるのでしょう。

JR・東急両直通線で設定されるのか、どちらか片方だけなのかなどは、現時点では不明です。

渋谷~西谷間を含む場合に、JR・東急の両方が選べれば最強の定期券ですが、さすがそれは難しいでしょう。

西武池袋線、東武東上線にも

複数ルート定期券は、首都圏では西武池袋線と東武東上線で、東京メトロ有楽町・副都心線直通用に発売しています。たとえば西武の場合は、西武池袋線とメトロ線の直通定期を持つ場合、池袋~練馬間で複数のルートが使えます。

一方、京王では、新宿と渋谷の両駅を利用できる「どっちーも」という定期券を発売しています。「YOKOHAMAどっちも定期」は、その名称からして、これに類する形で、直通線定期券に横浜駅利用可のオプションを付ける、という形かも知れません。

JR、東急、相鉄の横浜駅を利用可とすれば、実質的に両ルートが選択可能になります。また、相鉄のみ横浜駅利用可とすると、沿線住民が週末に横浜に出かける際などに便利です。

いずれにせよ、通常の定期よりは価格が上乗せになりますが、定期券利用者の利便性は高まるでしょう。発売時期や設定価格が気になりますが、公式発表を楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)

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