ソラシドエアとエアドゥは2014年2月搭乗分から、羽田空港発着路線の運賃の値上げをすると発表しました。対象はソラシドエアが羽田発着の宮崎、熊本、長崎、鹿児島、大分線の5路線、エアドゥは同じく札幌、旭川、帯広、女満別、釧路、函館の6路線です。
ソラシドエアは値上げ額は、大人普通運賃が通常期、ピーク期とも3,000円で、平均7.3%の値上げです。往復運賃は変わりありませんので、事実上往復割引の割引率は拡大することになります。それ以外の割引運賃については言及がありませんでした。
画像:ソラシドエアウェブサイトより
ソラシドエアによりますと、値上げの理由は「昨年来の円安進行」と「燃油価格の高止まり」。費用削減策として、新造機材への更新、リース形態の変更、燃料節減などの対策を行ってきましたが、それだけでは費用増大分を賄えないため、値上げに踏み切ったということです。
エアドゥの値上げ幅は路線ごとに異なりますが、札幌線の場合で、通常期の普通運賃が2300円の値上げ。往復割引などの割引運賃も値上げしています。全体では約9%の大幅値上げとなります。値上げの理由はソラシドと同じく「燃油市況の高止まりと為替の円安傾向による急激な費用の増加」です。
円安の進行と燃油価格の高騰は、ソラシドエアやエアドゥにだけに降りかかっているのではなく、日本の航空会社全体を襲っています。ソラシドエアとエアドゥは明確に「値上げ」を宣言しましたが、それ以外の会社でも、割引運賃を中心に運賃は上昇傾向を描いているようです。ピーチやジェットスターといったLCCでも最安値は維持されていますが、平均価格は上昇気味にみえます。こうした「宣言なき値上げ」は、航空各社で静かに行われているといっていいでしょう。
円安と燃油価格の高騰は収まる気配をみせません。となると、航空各社による「静かな値上げ」は、今後も続いていくでしょう。