特急「湘南」「踊り子」の乗り方と料金。チケットレス活用方法を徹底解説

新たな着席サービス導入

JR東海道線の特急「湘南」と「踊り子」の乗り方と、特急料金などをまとめてみましょう。2021年3月13日ダイヤ改正で、新たな着席サービスが導入され、チケットレスで乗車できるようになりました。

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新しい着席サービス

JR東日本の東海道線では、2021年3月13日ダイヤ改正で、新たに特急「湘南」が登場。特急「踊り子」もリニューアルします。両特急は新型車両E257系で統一され、新たな着席サービスを導入。料金制度と座席指定方法が変わりました。

特急「湘南」「踊り子」に導入される新たな制度では、基本的に全席指定席となります。自由席はありません。

そのため、「湘南」「踊り子」には、事前に指定席特急券を購入してから利用するのが原則となります。ただし、座席を指定しないで乗車することも可能で、その場合は「座席未指定券」を購入します。座席未指定券で乗車する場合については、後述します。

指定席特急券はこれまで通り、駅の窓口や券売機で購入できます。その場合、購入場所で指定席特急券を紙のきっぷで受け取り、列車に乗車するだけで、一般的な特急列車の利用方法と変わりありません。

新たに導入されるのは、「えきねっとチケットレスサービス」です。この場合は、スマホで指定席特急券を購入して、紙のきっぷを発券せずに乗車します。

詳しく説明していきましょう。

湘南踊り子
画像:JR東日本

特急「湘南」「踊り子」の料金

特急「湘南」「踊り子」には、「指定席特急券」「座席未指定券」「チケットレス」の3つの乗り方があり、それぞれ料金が異なります。各乗車方法の料金(普通車)は以下の通りです。

特急「湘南」「踊り子」特急料金
営業キロ 区間例 チケットレス 指定席特急券
(事前料金)
座席未指定券
(車内料金)
50kmまで 東京~大船 660円 760円 1,020円
100kmまで 東京~藤沢・小田原 920円 1,020円 1,280円
150kmまで 東京~熱海・伊東 1,480円 1,580円 1,840円

 

いわゆる「定価」が指定席特急券の値段です。えきねっとチケットレスサービスを利用した場合は、指定席特急料金より一律100円割引(こどもは50円割引)となります。2021年9月30日までの申込分は、チケットレスはキャンペーン価格となっていて、上表よりさらに200円引きです。

座席未指定券は、事前に購入すれば「定価」と同じですが、車内で購入した場合は「定価」の260円増しとなります。

なお、新料金制度では、通常期、繁忙期、閑散期の区分は廃止され、年間を通じて同一の料金となります。

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えきねっとチケットレスの予約方法と乗り方

特急「湘南」では、えきねっとチケットレスサービスで乗るのが主流になっていくとみられます。

えきねっとチケットレスの予約は、JR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」にておこないます。えきねっとは会員制ですが、クレジットカードがあれば、誰でも無料で登録できます。

えきねっとチケットレスを購入する場合、「えきねっと」のスマホサイトにアクセスし、「チケットレス申込」メニューから申込みます。「えきねっと」のアプリをダウンロードして利用すると、より簡単です。

申込完了後、購入完了メールが届きます。「購入完了メール」や、購入完了の画面メモを利用のスマホ端末に保存して、持参のうえ、乗車します。

スマホの購入画面のメモや購入完了メールが、いわばきっぷ代わりです。駅の改札はSuicaやPASMOといった交通系ICカードで通過してもいいですし、定期券や紙のきっぷでも大丈夫です。

指定の座席に座れば乗車中に検札はないので、チケットレスの特急券を見せなければならない場面はありません。何かの事情でチケットのチェックを求められたら、購入完了メールなどを提示します。

アプリでは、いつも同じ座席で予約ができる「マイシート機能」もあります。一度購入を完了した予約を「お気に入り」として登録しておく仕組みで、別の日に同じ列車の同じ座席をスムーズに予約でき、最大5日分をまとめて予約することも可能です。

なお、えきねっとチケットレスは、えきねっとのパソコンサイトからは予約・購入できません。パソコンでえきねっとをいくら探しても「えきねっとチケットレスサービス」の申し込みボタンは見つかりません。

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えきねっとチケットレスの変更

えきねっとチケットレスサービスのメリットとして、乗車前なら予約変更が簡単で自由、という点が挙げられます。変更手数料はかかりません。

変更はえきねっとのウェブサイトまたはアプリで行います。発車時刻までなら、直前変更も可能なので、乗り遅れそうになったら次の列車に変更することも可能です。次の列車が満席の場合は、座席未指定券にして乗車することもできます。

なお、予約済みの指定列車以外の列車(先行列車・後続列車)は利用できません。指定列車に乗り遅れた場合、特急券は無効となります。そのため、乗り遅れそうで、変更をしない場合は、出発時刻までに払い戻しの手続きをしましょう。

また、「踊り子」で熱海~三島間を含む予約の場合は、変更は1回まで可能、払戻手数料は2日前まで340円・前当日は30%(最低340円)となります。

これは、同区間がJR東海が運行を担当しているため、複数会社にまたがる場合のJR共通のルールが適用されるためです。

事前受付サービス

特急「湘南」は通勤で利用する人が多い列車ですので、毎日のように席を予約したい、という人もいるでしょう。そういう方は「えきねっとチケットレスサービス事前受付サービス」を活用するといいでしょう。

これは発売前の同一の列車・座席種別・区間の予約を、最大2ヶ月先までまとめて申し込めるサービスです。

たとえば、2021年6月乗車分(6/1-6/30)は、4月1日午前10時より受付を開始します。事前受付の結果は、乗車予定日ごとに、1ヶ月前の午前10時にメールで連絡が来ます。

このサービスを使うと、毎日所定の列車の座席を手軽に申し込むことができます。

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えきねっとで「チケットあり」予約

えきねっとで、チケットありの指定席特急券を購入することも可能です。その場合、えきねっとに会員登録して、ウェブサイトの「きっぷ予約」から指定駅特急券を予約します。

パソコンから予約するなら、えきねっとチケットレスは購入できませんので、えきねっとでチケットありの指定席特急券を購入することになります。

この場合、駅のみどりの窓口や券売機で紙のきっぷを受け取ってから乗車します。当然ですが、100円割引はありません。

駅窓口や券売機での購入

特急「湘南」「踊り子」の指定席特急券は、駅の券売機やみどりの窓口で予約・購入することもできます。その場合、チケットレスサービスではありませんので、100円割引は受けられません。

駅の券売機・窓口で購入する場合、一般的な列車の指定席購入と変わりません。

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座席指定しないで乗る場合

指定席特急券を購入しないで、特急「湘南」「踊り子」に乗ることも可能です。その場合、座席未指定券を購入して乗車することになります。

座席未指定券には「事前料金」と「車内料金」があります。事前料金は指定席特急券と同じ価格です。そのため、列車に空席があるなら、事前に座席未指定券を買う意味はほとんどありません。空席がないにもかかわらず、どうしてもその列車に乗りたい!というときに買うのが、事前料金の座席未指定券です。

一方、ホームに停まっていた列車に飛び乗ったりするなど、特急券を買わずに乗車した場合、車内で座席未指定券を買うことになります。この場合は、車内料金となります。事前料金より260円(こどもは130円)高くなっています。つまり、できるだけ、特急券は事前に買った方がお得です。

座席上方ランプの見方

事前購入であれ、車内購入であれ、座席未指定券で乗車した場合、その列車にて空いている席があれば座れます。座席が空いているかどうかは、座席上方(荷棚の下)のランプで表示されます。

座席上方ランプが「緑」ならその座席は指定されていることを示します。「赤」なら指定されていません。「黄」は、まもなく指定されている区間になることを示しています。

座席上方ランプ
画像:JR東日本プレスリリース

画像:JR東日本プレスリリース

座席未指定券で乗車した場合、「赤」のランプの席なら座ることができます。「黄」でも次の停車駅までなら座って大丈夫でしょう。「緑」は誰か別の人がその席の指定席を購入していますので座れません。

座席未指定券で空席に座った場合、車掌による車内検札があります。検札では、座席未指定券を見せる必要があります。なお、空席があっても、乗車後に車内で座席指定を受けることはできません。

特急「湘南」「踊り子」乗り方まとめ

特急「湘南」「踊り子」は性格の異なる列車で、「湘南」は主に通勤用、「踊り子」は主に観光用の列車です。

通勤目的で「湘南」に乗車するなら、えきねっとチケットレスの利用が便利でしょう。アプリでの予約は慣れたら簡単ですし、先の日程の予約をしておいて、予定が変わったら次々と変更する、といった柔軟な使い方ができます。毎日のように乗車するなら、1回100円の価格差も無視できません。

観光目的で「踊り子」に乗車するなら、チケットレスにこだわる必要は、それほどありません。とくに、修善寺方面に行く場合は、変更や払い戻しに関する制度が異なるので、注意が必要です。

「踊り子」には、割引率の高い「えきねっとトクだ値」も設定されていますので、チケットレスにこだわらず、あわせて検討するとよさそうです。

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