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新東名・新名神、全線開通は2030年以降に? 工事遅延で時期見通せず

難工事、用地買収難航も

新東名・新名神高速道路の全線開通が2030年以降にずれこむ可能性が高まってきました。3カ所の未開通区間で工事の遅延が相次いでいて、開業時期が見通せなくなってきたためです。

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新東名は1年以上延期

新東名高速道路は、海老名南JCT~豊田東JCT間253.2kmを結ぶ高速道路です。すでに海老名南JCT~新秦野IC間と、新御殿場IC~豊田東JCT間は開通済みで、未開通区間は新秦野IC~新御殿場IC間25.2kmのみとなっています。

新秦野~新御殿場間の開通予定は2027年度でしたが、中日本高速道路(NEXCO中日本)は、2025年11月5日に、開通予定時期を1年以上延期すると発表しました。したがって、開通は2028年度以降となります。

新東名高速道路
画像:NEXCO中日本

 
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明確な時期を示さず

新秦野~新御殿場間では、延長2.9kmの高松トンネルの工事が難航していて、開通延期の原因となってきました。新たな発表によれば、高松トンネルの今後の掘削に関しても、脆弱な地山の出現や湧水の発生が想定されるとのことです。

NEXCO中日本は、新たな開通時期について、「高松トンネル完成の見通しが立った段階で改めて公表する」とし、明確な時期を示しませんでした。「最低でも1年遅延」というわけで、2028年度より遅れる可能性も小さくなさそうです。

新東名高速道路予定
画像:新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議(第7回)説明資料

 
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新名神は2区間で延期

新名神高速道路は、四日市JCT~神戸JCT間149.6kmを結ぶ高速道路です。四日市JCT~大津JCT、城陽JCT~八幡京田辺JCT、高槻JCT~神戸JCT間がそれぞれ開通済みで、大津JCT~城陽JCT間25.1kmと、八幡京田辺JCT~高槻JCT間10.7kmの2区間が未開通です。

西日本高速道路会社(NEXCO西日本)は、12月18日に進捗状況を発表し、大津~城陽間と、八幡京田辺~高槻間のそれぞれで、開通が遅れることを明らかにしました。

新名神高速道路開通予定
画像:NEXCO西日本プレスリリース

 

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大津~城陽は3年以上

大津~城陽間については、2024年1月に、予定していた2024年度中の開通が困難であることを公表していました。今回の発表で、少なくとも3年以上、進捗によっては、さらに1~2年程度の期間を要する見込みであることが明らかになりました。

開通時期は最短で2028年以降、状況によっては2030年度ころにずれ込むことになります。

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八幡京田辺~高槻間は見通し示せず

八幡京田辺~高槻間は2027年度の開通予定でしたが、予定通りの開通が困難になったと発表しました。用地取得に時間がかかっていて、工事に未着手の区間もあり、新たな開通予定を示しませんでした。

用地買収が完了していないためか、「少なくとも開通まで○年かかる」という、最短の目安も示されていません。

これにより、新東名・新名神高速道路の全線開通時期は不透明になりました。これまで公表されていた予定では、最短で2027年度ごろに全線開通の期待もありましたが、現実には2030年度以降になる可能性が高そうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。