新幹線で東京~仙台を安く行く方法を、新型コロナウイルス感染症拡大後の最新情報を反映して、まとめてみました。東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」の基本的な割引きっぷから、ややマニアな買い方までご紹介します。
東京・仙台価格比較
最初に、東京~仙台間を新幹線で旅行する際の価格表をまとめて掲載しておきます。詳細は順に説明していきます。
きっぷ | 価格 |
---|---|
指定席通常価格(はやぶさ) | 11,410円 |
指定席通常価格(やまびこ) | 11,090円 |
自由席通常価格(やまびこ) | 10,560円 |
えきねっとトクだ値10(やまびこ) | 9,790円 |
えきねっとトクだ値15(やまびこ) | 9,250円 |
お先にトクだ値30(やまびこ) | 7,610円 |
お先にトクだ値35(やまびこ) | 7,070円 |
お先にトクだ値スペシャル(はやぶさ) | 5,600円 |
お先にトクだ値スペシャル(やまびこ) | 5,440円 |
株主優待割引(はやぶさ指定席) | 6,840円 |
株主優待割引(やまびこ指定席) | 6,650円 |
新幹線回数券(1枚あたり) | 10,950円 |
ふらっとグリーン(やまびこ) | 12,070円 |
週末パス(片道あたり) | 8,950円~ |
JR東日本ダイナミックレールパック | 約17,000円~ |
JR・新幹線+宿泊セットプラン | 約15,000円~ |
※「こまち」は「はやぶさ」と同価格、「はやて」は「やまびこ」と同価格です。
えきねっと
はじめに、東京~仙台間の指定席特急料金は、「はやぶさ」「こまち」で11,410円、「やまびこ」「はやて」で11,090円です。自由席特急料金は10,560円です。自由席が連結されているのは「やまびこ」だけです。格安チケットを探す前に、この価格を頭に入れておきましょう。
新幹線に安く乗る方法として、最初にチェックすべきなのはインターネットの割引です。東京~仙台間を結ぶ東北新幹線では、JR東日本のインターネット予約サービス「えきねっと」で割引きっぷが発売されています。「えきねっと」は会員制ですが、年会費は無料で、クレジットカードがあれば誰でも登録できます。
「えきねっと」では、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」「お先にトクだ値スペシャル」という割引きっぷが販売されています。「トクだ値」は前日まで発売、「お先にトクだ値」は13日前午前1時40分まで発売、「お先にトクだ値スペシャル」は20日前午前1時40分まで発売です。
東京~仙台間の普通車指定席の割引は以下のようになっています(通年同額)。
・えきねっとトクだ値10(やまびこ)9,790円
・えきねっとトクだ値15(やまびこ)9,250円
・お先にトクだ値30(やまびこ)7,610円
・お先にトクだ値35(やまびこ)7,070円
・お先にトクだ値スペシャル(はやぶさ)5,600円
・お先にトクだ値スペシャル(やまびこ)5,440円
グリーン車利用の場合は、以下のものがあります(通年同額)。4月以降、設定が追加される見通しです。
・えきねっとトクだ値10(やまびこグリーン車用)13,080円
・えきねっとトクだ値15(やまびこグリーン車用)12,360円
・お先にトクだ値30(やまびこグリーン車用)10,170円
・お先にトクだ値35(やまびこグリーン車用)9,450円
東京~仙台間のえきねっとトクだ値は、基本的に「やまびこ」号にしか設定がありません。例外として、新型コロナ禍後、期間限定で「はやぶさ」「はやて」でお先にトクだ値スペシャルが設定されています。いずれも、座席数限定なので売り切れやすいです。お買い求めはお早めに。
なお、えきねっとトクだ値は、いずれも「新幹線eチケットサービス」での扱いとなっています。インターネット(えきねっと)で購入し、交通系ICカードを登録すれば、そのまま新幹線の改札口を通過できます。紙のきっぷとして受け取って乗車することも可能です。
JR東日本株主優待券
JR東日本の株主優待割引券を利用すれば、1枚につき運賃・料金が40%割引になります。
・株主優待割引(はやぶさ・こまち指定席) 6,840円
・株主優待割引(はやて・やまびこ指定席) 6,650円
・株主優待割引(自由席) 6,330円
上記の価格は、いずれも株主優待割引券を利用した場合です。株主優待割引券は金券ショップなどで購入できます。新型コロナ禍後、相場が下落していて、現在は1,700円~1,800円程度で入手可能です。
株主優待割引券を1,800円で入手した場合、「はやぶさ」「こまち」指定席が8,640円、「はやて」「やまびこ」指定席が8,450円、「やまびこ」自由席が8,130円となります。
この場合、「えきねっとトクだ値」より安く、「お先にトクだ値」より高いです。乗車日当日の購入でも割引が受けられますので、「お先にトクだ値」が買えなかったら、金券ショップで株主優待券を買いに行くのがいいでしょう。
金券ショップで格安チケットを買う
新幹線に安く乗る方法として、金券ショップで「格安チケット」を探す人も多いでしょう。東京~仙台間の場合、金券ショップで販売されているのは新幹線の指定席回数券のばら売りです。この区間に、自由席回数券の設定はありません。
ばら売り回数券では「はやぶさ」「こまち」「はやて」「やまびこ」の指定席に乗車することができ、予約後の列車変更も可能です。金券ショップで購入した場合、払い戻しができないことと、ピーク時(4月27日~5月6日、8月11日~19日、12月28日~1月6日)に使えないことだけは気をつけてください。
価格は店により異なりますが、最近の相場は10,500~11,000円前後です。新型コロナ禍後、一時期下落していましたが、最近は需給が落ち着いて安定した価格になっています。割引率としては、「はやぶさ」「こまち」利用の場合で5~10%程度です。
なお、東京~仙台間の新幹線回数券は、2021年6月30日を以て発売を終了します。
・指定席回数券ばら売り 10,500~11,000円程度
JR窓口で新幹線回数券を買う
新幹線回数券は6枚セットです。もし、3人で往復旅行をするのなら、金券ショップにいかずとも、JR窓口で回数券を買うこともできます。回数券は3ヶ月間有効なので、そのあいだに3往復する予定があるなら、回数券はお得です。
JR窓口で指定席回数券の定価は、6枚綴り65,700円で、1枚当たり10,950円です。割引率は「はやぶさ」「こまち」で約4%。「やまびこ」「はやて」で約1%です。「やまびこ」「はやて」では、回数券利用による正規の割引率はきわめて低いです。「やまびこ」自由席利用(10,560円)の場合は、回数券を使うメリットはありません。
・指定席回数券定価 65,700円(1枚あたり10,950円)
JR窓口で買うより、金券ショップで買った方が安い場合もありますので、ご確認ください。
ふらっとグリーン
「やまびこ」号では、グリーン車利用の格安商品が出ています。「ふらっとグリーン」というもので、普通車指定席の料金に980円を足すと、グリーン車が利用でき、500円分のニューデイズ・キオスク利用券が付いてきます。ただし、2人以上の利用限定です。
JRのきっぷではなく、株式会社びゅうトラベルサービスが企画・実施する旅行商品(びゅうパッケージツアー)です。
・ふらっとグリーン(2名以上・やまびこ号グリーン車限定)12,070円
前日までに購入しなければならない、JRの駅の窓口では購入できない(びゅうパッケージツアー。ネットのみ)、列車変更などができない、などの制限がありますが、グリーン車でこの値段なら、格安でしょう。
週末パス
やや裏ワザ的ですが、土休日の2日間で完結する往復旅行なら、「週末パス」を使う方法もあります。週末パスは8,880円で、関東・南東北のJR東日本が乗り降り自由。東京~仙台間も往復できます。ただし、新幹線特急券は別に購入しなければなりません。
週末パスと正規料金の新幹線特急券を組み合わせた値段は以下の通りです。(週末パスを片道4,440円として計算)
・週末パス+「はやぶさ」「こまち」指定席 9,800円
・週末パス+「はやて」「やまびこ」指定席 9,480円
・週末パス+「やまびこ」自由席 8,950円
土日限定の往復なので利用機会は限られるものの、列車の座席数制限などはないので使いやすいでしょう。
また、週末パスは、関東・南東北のJR線乗り放題なので、たとえば発着地が東京駅や仙台駅でなく、八王子駅や横浜駅、塩釜駅といった郊外のJR駅の場合、そこまでの乗車券が不要なので、さらにおトクになります。
ダイナミックパッケージ
宿泊とセットで購入するなら、「JR東日本ダイナミックレールパック」も要チェックです。お好みの東北新幹線と宿泊ホテルを組み合わせて、インターネット上で予約、決済する商品です。
一般のパッケージツアーに較べると、列車やホテルの選択の自由度が高いというメリットがあります。また、JR東日本直営という安心感もあります。ネットで前日18時まで購入可能で、きっぷ類は当日、駅の券売機で受け取れます。選べる列車は基本的に「やまびこ」で、時間帯のいい列車には追加料金が必要です。
・新幹線指定席往復+ホテル1泊で17,000円程度~
新幹線の往復正規価格より2割程度安い価格で、宿泊がついてきます。さらに、GOTOトラベルキャンペーンが実施されている場合は、その割引が適用されて破格値になります。
パッケージツアー
往復の新幹線と宿泊がセットになった旅行商品(パッケージツアー)です。日本旅行の「JR・新幹線+宿泊セットプラン」などが代表的です。2名1室利用で一人15,000円程度~。1名利用の場合は、2,000円ほど高くなります。
・新幹線指定席往復+ホテル1泊で15,000円程度~
往復15,000円程度で宿泊も付いてくるのですから、価格的には「JR東日本ダイナミックレールパック」よりお得な場合があります。立地や設備のいいホテルだと少し高くなりますが、それでも18,000円程度出せば、そこそこのホテルに泊まれます。
ただし、「JR東日本ダイナミックパッケージ」よりも、列車やホテルの選択肢が少ないです。また、時間帯のいい列車は値段が少し高くなります。こちらも、選べる列車は基本的に「やまびこ」です。出発3日前まで予約できます。
GOTOトラベルキャンペーンが適用されれば、こちらも割引が大きくなります。
まとめてみると
東京~仙台間の割引きっぷでは「やまびこ」対象のものが多く、「はやぶさ」号に乗れる格安チケットは少ないです。
そのなかで、「はやぶさ」に乗れる割引きっぷとしては、株主優待割引が狙い目でしょう。新型コロナウイルス感染症の影響で、JR東日本の株主優待割引券が金券ショップでだぶついていますので、いまのタイミングなら安く入手できます。販売座席数の制限がないので、空席があれば好きな時間の列車に、直前予約でも乗車できます。
ネット予約で簡単に安く乗車したいなら、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」「お先にトクだ値スペシャル」を狙いましょう。期間限定の「お先にトクだ値スペシャル」の場合、「はやぶさ」にも設定されていて、5,600円と破格です。ただし、座席数限定なので、時間帯の良い列車のチケット確保は簡単ではありません。
誰でも買える金券ショップの新幹線回数券ばら売りは、1万円前後。割引率が今ひとつですので、金券ショップに行くなら株主優待券のほうがメリットが大きいです。あえて新幹線回数券ばら売りを買う必要はないでしょう。
気軽に時間帯や列車を選ばずに乗れるという点で、10,560円の自由席を定価で買うのもいいでしょう。ただし、「やまびこ」号にしか乗れません。土休日の往復旅行で、在来線にも乗るのなら、「週末パス」との組み合わせがおトクです。
宿泊を伴う旅行なら、日本旅行の「JR・新幹線+宿泊セットプラン」や、「JR東日本ダイナミックレールパック」も選択肢になりそうです。
日本旅行「JR・新幹線+宿泊セットプラン」
JR東日本ダイナミックレールパック