新幹線チケットをインターネットで簡単に買って、チケットレスで乗車する方法について、初心者向けにわかりやすく書いてみました。新幹線チケットはJRの駅窓口などでも販売していますが、最近は恐ろしいほど混んでいるので、インターネットで購入し、チケットレスで乗車することをおすすめします。
紙かチケットレスか
はじめに、新幹線に乗車する場合、大きくわけて「紙のきっぷで乗車する」と「チケットレスで乗車する」の二通りの乗車方法があります。
紙のきっぷを手にするには、駅の窓口や券売機に並ぶ必要があります。混雑していることも多いので、時間がかかることがあります。何より面倒くさいです。
「チケットレス乗車」なら、駅で並ぶ必要がありません。インターネットで購入し、ICカードで乗車するだけです。
今の時代、新幹線はチケットレスで乗車するのが圧倒的にラクです。
この記事では、新幹線チケットをインターネットで買って、チケットレスで乗車する方法について、初心者向けにわかりやすく解説していきます。
販売サイトは3つ
新幹線チケットレス特急券の公式販売サイトは、「スマートEX」と「えきねっと」「e5489」の3つがあり、扱っている路線が異なります。
販売対象の新幹線と路線(区間)は、サイト(アプリ)により、以下のように分かれています。
■スマートEX
○東海道・山陽・九州新幹線(東京~名古屋~新大阪~広島~博多~鹿児島中央)
■えきねっと
○東北・北海道新幹線(東京~仙台~新青森~新函館北斗)
○北陸新幹線(東京~金沢~敦賀)
○上越新幹線(東京~新潟)
○山形新幹線(東京~山形~新庄)
○秋田新幹線(東京~秋田)
■e5489
○北陸新幹線(東京~金沢~敦賀)
※西九州新幹線(武雄温泉~長崎)はチケットレス乗車に非対応。
この区分は重要ですので、購入サイト(利用アプリ)を間違えないようにしてください。大きく分けて、東京駅から見て西の新幹線は「スマートEX」、東と北の新幹線は「えきねっと」です。
北陸新幹線のみ「えきねっと」と「e5489」の両方で購入できます。「e5489」はJR西日本系の予約サイトですので、同社エリア(北陸地方など)にお住まいの方は、「e5489」を使うといいでしょう。
いずれも、ウェブサイト(PC)またはスマホアプリで予約・購入できます。支払いはクレジットカードやコンビニ払いなどが選べます。
購入の流れ
どのサイトでも、購入の流れは似ています。会員登録をして、乗車区間と日時などを指定して検索すると、候補の列車が表示されます。画面の指示に従って購入します。
「スマートEX」の場合、特に意識をしなくても、チケットレス乗車が可能なきっぷを購入できます。
一方、「えきねっと」「e5489」で購入する場合、チケットレス乗車をするには、「新幹線eチケット」を選択しなければなりません。「紙のきっぷ」を選択すると、チケットレス乗車ができません。
検索時に「新幹線eチケット」という選択肢がありますので、そちらを選びます。
交通系ICカードの登録
チケットレス乗車をするためには、交通系ICカードを、それぞれのサイト(アプリ)で登録する必要があります。交通系ICカードとは「Suica」「PASMO」「TOICA」「ICOCA」「SUGOCA」など、鉄道乗車が可能なICカードです。
※利用可能な交通系ICカード
Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけん
これらの交通系ICカードと、スマートEXやえきねっとで購入した新幹線チケットを紐付けると、その交通系ICカードで、当日新幹線に乗車できます。
チケットの紐付けは、それぞれのサイト(アプリ)で簡単にできます。交通系ICカードの「カード番号」を入力するだけです。
交通系ICカードは、任意のものを使えます。すでにお持ちなら、それを使えばいいでしょう。定期券として使っているものでも大丈夫です。
当日の利用方法
利用当日は、新幹線改札口を、紐付けた交通系ICカードでタッチすれば通過できます。降車時も同じです。
「これだけで新幹線に乗れるの?」と不安に思う方もいるようですが、大丈夫です。
在来線(新幹線以外のJR線)から乗り継ぐ場合は、当日利用する交通系ICカードで在来線改札口を通過し、乗換駅で新幹線改札口を通過すれば、在来線の運賃を自動で精算してくれます。
たとえば、新宿駅からSuicaで中央線に乗車し、東京駅の新幹線乗換改札口を通過したら、新宿駅~東京駅間の運賃が交通系ICカードから差し引かれます。精算の手間はありませんし、精算窓口や券売機に寄る必要はありません。
「指定席」「自由席」の選択
購入時、座席を選択する際に、「指定席」「自由席」の選択肢がありますが、基本的には「指定席」をおすすめします。「指定席」は乗車する列車で座席が確保されているチケットです。着席保証です。
一方、「自由席」は、着席保証をしていません。その日のうちの好きな列車に乗車できますが、満席時には立って乗ることになります。
なお、「グリーン車」はお値段の高い豪華な席です。普通車でも十分快適なので、特段にグリーン車を選ぶ必要はありません。
格安チケットを選びたい!
格安チケットを買いたい!という方も多いでしょう。JRでは、格安チケットを「割引きっぷ」といいます。
「割引きっぷ」は、チケットを検索しているなかで自動的に表示されます。「スマートEX」では「EX早特」、「えきねっと」では「トクだ値」といいます。そのなかから、最安値のチケットを選ぶといいでしょう。
割引きっぷの利用条件は、きっぷの種類により異なりますので、購入前にご確認ください。
注意点として、割引きっぷは「変更不可」が多いです。ただ、変更不可でも、無割引のチケットへの変更は、差額を払えば可能なものが多いです。
変更について
新幹線をチケットレスで乗車する場合、「スマートEX」も「新幹線eチケット」(えきねっと、e5489)も、基本的に列車の変更は自由です。
当日、乗り遅れそうだな、と思ったら、次の列車に変更することも可能です。ウェブサイトまたはスマホアプリの操作で、任意の列車に変更できます(変更できる期間の制限はあります)。これは紙のきっぷにはない利点です。
ただし割引きっぷについては、上記の通り、変更不可のものや、変更に制限のあるものもあります。
キャンセル料について
新幹線のチケットレスで乗車するのであれば、ほとんどの場合、キャンセル料は片道あたり320円です。定価販売でも割引きっぷでも、キャンセル料は基本的には同じです。
キャンセルの場合は、購入したサイト(アプリ)で手続きをします。簡単な操作でキャンセル・払い戻しが可能です。駅の窓口に並ぶ必要はありません。
ただし、チケットレス乗車をしないで、紙のきっぷを受け取ってしまった場合は、払い戻しのために駅の窓口に並ばなければならなくなります。また、キャンセル料の価格が異なる場合があります。
そういう点も含めて、新幹線に乗る場合、紙のきっぷを受け取らずに、チケットレス乗車をするのがおすすめです。(鎌倉淳)