四国の東南エリアの鉄道・バスが乗り放題となる「四国みぎした55フリーきっぷ」が、4月1日から利用開始になります。話題のDMVも乗り放題となるきっぷの、使いこなし方を研究してみましょう。
徳島~室戸~高知エリア
「四国みぎした55フリーきっぷ」は、JR四国、阿佐海岸鉄道、土佐くろしお鉄道、高知東部交通が、徳島~室戸~高知エリアで乗り放題になる企画乗車券です。「四国の右下」に該当する国道55号線エリアを観光するためのきっぷであることから「四国みぎした55」と命名されました。
「四国みぎした55フリーきっぷ」の概要は以下の通りです。
■利用期間:2022年4月1日~2023年3月31日
※2023年3月29日まで発売
■発売期間:2022年3月1日~2023年3月29日
※出発日の1ヶ月前から当日まで発売
■有効期間:3日間
■価格:大人5,500円 小児2,750円
■発売箇所:JR四国の駅窓口、券売機、ワープ支店、駅ワーププラザ、四国内の主な旅行会社、JR 四国ツアーWEB。阿佐海岸鉄道宍喰駅、土佐くろしお鉄道のいち駅、安芸駅、奈半利駅物産館「無花果」
■フリー区間:
フリーエリア(徳島・室戸・高知自由周遊区間)は下図のとおりです。
限定デザインも発売
JR線は徳島~阿波海南間と後免~高知間、阿佐海岸鉄道は阿波海南文化村~道の駅宍喰温泉間、高知東部交通は甲浦岸壁~安芸営業所間、土佐くろしお鉄道は奈半利~後免間が、それぞれ乗り降り自由となります。
フリーエリアで利用できるのは、鉄道が普通車自由席、バスが路線バス(高速バス除く)です。阿佐海岸鉄道のDMVは、鉄道区間もバス区間も自由席が乗り放題です。特急列車やグリーン車、指定席は、別途料金券を購入すれば利用できます。
発売箇所は上述のとおり、関係各線の駅窓口やJR四国の券売機などです。このうち、阿佐海岸鉄道と土佐くろしお鉄道では、限定デザインの常備券で発売します。
モデルルート
「四国みぎした55フリーきっぷ」は、端的にいうと徳島~高知間を室戸岬を経由して周遊するためのきっぷです。
モデルルートは、徳島~(JR牟岐線、1,660円)~阿波海南~(阿佐海岸鉄道DMV、700円)~海の駅東洋町~(高知東部交通バス、1,710円)~室戸岬~(高知東部交通バス、1,200円)~奈半利~(土佐くろしお鉄道、JR土讃線、1,340円)~高知という形でしょう。
この場合の運賃は合計6,610円です。つまり、モデルルートで「四国みぎした」をぐるりと乗れば、それで元が取れてしまうきっぷです。
したがって、DMVに乗りに行くついでに室戸エリアまで回ってみよう、と考えている方には、おすすめできるきっぷといえます。
DMVは自由席のみ
注意点としては、DMVが自由席のみしか利用できないことでしょう。DMVの車両定員は18席と少なく、このうち12~16席が指定席に充当されているようです。
したがって、自由席の席数は限られます。平日なら大丈夫でしょうが、土休日はDMVの自由席に乗車できるか行ってみないとわからないのが不安点です。ただし、DMV指定席を別途支払ったとしても、徳島~高知を乗り継ぐなら、「四国みぎしたフリーきっぷ」できちんと元が取れる価格になっています。
DMVの室戸便は、「四国みぎしたフリーきっぷ」での利用はできません。そのため、DMVの室戸便での旅行をモデルルートで計画しているのなら、フリーきっぷで元を取る難しいかもしれません。(鎌倉淳)