東急東横線渋谷駅が3月16日に地下化されるのにともない、その跡地などをめぐる渋谷の再開発が大きく動き出します。ここでは、その概要をまとめてみましょう。
まず、現在の東横線渋谷駅ですが、駅のうち国道246号線より南(祐天寺寄り)は「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷三丁目21地区)」として再開発されます。地上33階、地下5階の高層ビル(高さ180m)の建設が計画されていて、2017年度の開業予定です。低層部がデパートなどの商業施設、中層部がホテル、高層部が事務所になる見込みです。
このエリアは、国道246号線、首都高速3号渋谷線、明治通りなどに分断され、渋谷駅周辺の賑わいからは若干取り残されていますが、その活性化のシンボルになるでしょう。渋谷川沿いにありますので、川沿いも緑の遊歩道や広場が整備されます。この開業はもっとも早く、2017年度の予定。4~5年以内に開業する予定です。
現在の東急東横店のある場所などは、「渋谷駅地区 駅街区開発計画」として再開発されます。東横店跡地だけでなく、山手線・地下鉄銀座線の渋谷駅を含めて丸ごと再開発。駅前広場や歩行者デッキも含めて一体的に整備されます。
そのなかで、東横店跡地、つまり現在の東急東横線のメイン改札口のあるあたりは、地上46階、地下7階の高層ビル(東棟・高さ230m)になる予定。中低層部にデパートが入り、高層部がハイグレードのオフィスになる予定です。この開業は2020年です。
JR山手線の線路上のあたりには、地上10階、地下2階のビル(中央棟)が建ち、その西側、つまり現在のJR南口の道玄坂方向には地上13階、地下5階のビル(西棟)が建ちます。つまり、国道246号線に沿って、東から3つのビルが山手線を挟んで建ち並ぶわけです。これらのビルが全て開業するのは2027年とされています。
さらに、渋谷駅西口側にある東急プラザ渋谷と隣接するエリアの再開発も検討されていて、「道玄坂街区」として再開発されます。ここには、地上17階、地下5階のビル(高さ120m)の1階に、空港リムジンバス発着場を含むバスターミナルを整備。その上には商業施設が入ります。この開業は2018年度を予定しています。
これらと並行して、現在の埼京線の渋谷駅を山手線の隣(現在の東横線ホーム位置)に移設する工事も行われます。この工事の完成時期は明示されていませんが、東棟が完成する2020年までにはホーム移設が完了すると思われます。完成すれば、山手線と埼京線が2面4線のホームに並び、恵比寿駅のような形になります。
さらに、地下鉄銀座線もホームの場所も変わります。現在地より東側に移転し、副都心線・東横線地下ホームの真上あたりに移動します。
全部できあがるのが2027年。あと14年も工事が続きます。主要なターミナル部分だけでも、7年程度は工事が続くでしょう。渋谷駅はこれから仮囲いだらけの駅になりそうです。