青春18きっぷ、1日でどこまで行ける?【2022年版】東京、名古屋、大阪発を全検証

減便で到達圏縮小も

2022年3月ダイヤ改正後、青春18きっぷ1日分でどこまで行けるのでしょうか。東京、名古屋、大阪の各駅を始発で出発した場合に到達できる「1日到達圏」の限界駅を調べてみました。

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東京から北へ

青春18きっぷは、JR線の普通列車が1日乗り放題の企画乗車券です。青春18きっぷを使い、東京、名古屋、大阪の各駅から始発列車で出発した場合、1日でどこまで到達できるか、2022年3月新ダイヤで調べてみました。各地で列車削減が行われた「減量ダイヤ」の影響を見るため、現行ダイヤとも比較していきます。

まず、東京発。北行きの始発は4時45分発の京浜東北線大宮行きです。北は青森(22:18着)が限界。東北線経由でも上越線経由でも、青森到着時刻は同じです。

三陸方面は宮古(20:18着)が限界。宮古の手前の盛岡(16:11着)や、盛岡~秋田間の田沢湖線各駅にも到達できます。ダイヤ改正による限界駅の変化はありません。

湘南新宿ラインE231系

東京から西へ

西行きの始発は、4時41分発の京浜東北線大船行きです。時刻表をたどると、西は新山口(00:02着)が限界です。現行ダイヤでは小倉まで1日で到達できますが、新ダイヤでは大きく後退します。米原発着の「新快速」の減便が影響しています。

山陰線方面は西出雲(22:36着)が限界です。これまでは米子が限界だったのですが、鳥取での接続が改善されたことで、西出雲まで延びました。これにより、東京から出雲市まで青春18きっぷ1枚で行けるようになりました。

四国は予讃線方面の松山(23:02着)は現行ダイヤと変わりませんが、土休日は今治(22:43着)となります。坂出18:15発観音寺行きが、今回のダイヤ改正で土休日運休になるため、松山までたどりつけなくなります。

土讃線方面の大歩危(19:48着)、高徳線方面の牟岐(23:08着)は現行ダイヤと変わりません。四国の県庁所在地では、唯一、高知だけが東京からの青春18きっぷ1日到達圏外です。

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名古屋から東へ

つづいて名古屋発。東方面の始発は、5時29分発の東海道線豊橋行きです。東北線は北上(22:55着)が限界。盛岡へは1日で到達できません。奥羽線は新庄(22:42着)、羽越線は鼠ヶ関(22:44着)が限界駅です。支線では小牛田経由で鳴子温泉(22:31着)、米沢経由で小国(22:01着)、会津若松経由で会津川口(21:33着)が限界駅です。

新潟仙台までは十分到達可能で、ダイヤ改正による限界駅の変化はありません。

名古屋から西へ

西方面の始発は、5時37分発の東海道線大垣行きです。博多21:05着、熊本23:30着で、そのまま鹿児島線をたどると、熊本23:52発八代行きに乗った後、富合(00:02着)で日付が変わります。ダイヤ改正前と変化はありません。

長崎線は、肥前浜(23:18着)。佐世保線は、早岐(23:29着)。豊肥線は南熊本(00:00着)。日豊線は宇佐(21:26着)。いずれも現行ダイヤと変わりありません。

九州の県庁所在地では、名古屋から1日で行けるのは福岡熊本佐賀のみです。

四国は予讃線は宇和島(21:56着)。土讃線は窪川(21:37着)までで、いずれも変化なし。牟岐線は牟岐(23:08着)までです。牟岐線は以前は阿波海南まで行けましたが、徳島線引田~徳島間の運行本数削減により、牟岐が限界駅となっています。

四国はすべての県庁所在地まで、名古屋から青春18きっぷ1日分で到達できます。

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大阪から東へ

最後に大阪発をみてみます。東方面の始発は、JR京都線5時発の京都行き。北は東北線の品井沼(00:03着)が限界です。現行ダイヤでは石越まで到達できるのですが、東北線黒磯~新白河間の減便の影響を受け、品井沼止まりとなりました。手前にある仙台は1日で到達できます。

奥羽線は現行ダイヤで天童まで到達できましたが、庭坂(22:37着)までと大幅に後退しました。仙山線は愛子(00:02着)までで、山形までも到達できなくなりました。

磐越西線は福島経由で喜多方(23:16着)までとなり、現行ダイヤの野沢より後退。只見線は現行ダイヤで会津川口まででしたが、新ダイヤでは会津若松より先には行けません。

信越線は新潟(23:20着)が1日到達圏、新発田の2つ先の金塚(00:03着)まで行くことができます。

高崎経由では、柏崎経由で直江津(22:43着)にも到達できます。全車指定席の快速「信越」が、新ダイヤでは長岡~直江津間の快速になりました。そのため、青春18きっぷで追加料金不要で乗れるようになり、到着時刻が早まります。

大阪から西へ

西方面の始発は、JR神戸線5時発の西明石行き。鹿児島線は八代(21:55着)まで、豊肥線は熊本経由で宮地(23:53着)までです。長崎線方面は長崎(23:12着)まで、佐世保線は佐世保(22:27着)まで到着できます。いずれも、現行ダイヤと変わりありません。なお、長崎へは大村線経由です。肥前鹿島経由では肥前大浦(21:10着)が限界駅です。

日豊線は佐伯(23:43着)まで届き、大分経由の豊肥線は豊後竹田(23:28着)まで行くことができます。九州方面の到達駅は、現行ダイヤと変化ありません。県庁所在地では、博多佐賀長崎大分が大阪からの1日到達圏です。

四国は予土線の窪川~江川崎間を除き、全線が大阪から1日到達圏です。これも変化ありません。

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山陽線と東北線で縮小

今回のダイヤ改正で、青春18きっぷの1日到達圏で大きく縮小したのは、東京から山陽線方面です。滋賀県内の新快速減便の影響を受け、現行ダイヤの小倉までが、新ダイヤで新山口までとなりました。

さらに、香川県内の減便の影響で、土休日は松山が1日到達圏を外れました。

そのほか、大阪から東北線方面では、黒磯~新白河間の減便の影響で、山形が1日到達圏から外れました。

一方で、東京から山陰線方面では、鳥取県内の接続が改善し、出雲市が1日到達圏に入りました。これは数少ない明るいニュースといえます。

総じて見ると、新ダイヤでも、青春18きっぷ1枚で到達できる駅にそれほど大きな変化はなさそうです。1日到達圏は多少縮小したものの、東名阪の移動や、東京から東北・上越方面、あるいは大阪から山陽・九州方面への旅行には、青春18きっぷは依然として格安旅行の強い武器であり続けるでしょう。

2022年春の青春18きっぷの有効期間は、3月1日~4月10日、価格は5日分で12,050円です。1日あたり2,410円で上記のような長距離旅行が可能です。格安旅行の魅力は健在、というところでしょうか。(鎌倉淳)

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