青春18きっぷ、1日でどこまで行ける?【2021年版】減量ダイヤ改正で変化はあったか。

東京、名古屋、大阪発で見てみる

2021年3月ダイヤ改正後、青春18きっぷ1日分でどこまで行けるのでしょうか。東京、名古屋、大阪の各駅から始発で出発した場合に到達できる「限界駅」を調べてみました。

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東京発

青春18きっぷは、JR線の普通列車が1日乗り放題の企画乗車券です。青春18きっぷを使い、東京、名古屋、大阪の各駅から始発列車で出発した場合、1日でどこまで到達できるか、2021年3月新ダイヤで調べてみました。各地で列車削減が行われた「減量ダイヤ」の影響を見るため、旧ダイヤとも比較していきます。

まず、東京発。北行きの始発は4時45分発の京浜東北線大宮行きです。北は青森(22:18着)、宮古(20:25着)が限界。宮古の手前の盛岡(16:11着)や、盛岡~秋田間の田沢湖線各駅にも到達できます。ダイヤ改正による限界駅の変化はありません。

西行きの始発は、4時41分発の京浜東北線大船行きです。時刻表をたどると、西は米子(23:25着)、小倉(0:05着)が限界です。山陽線の各駅へは全線到達できますが、山陰線の米子以西は1日でたどり着けません。

四国は松山(23:07着)、大歩危(19:48着)、牟岐(23:08着)が、青春18きっぷ1日到達の限界駅です。四国の県庁所在地では、唯一、高知だけが東京からの1日到達圏外です。

ダイヤ改正で変化があったのは予讃線で、これまでは伊予市まで行けましたが、新ダイヤでは松山が限界となっています。松山発の終電が繰り上がったためです。

新快速

名古屋発

つづいて名古屋発。東方面の始発は5時29分発の東海道線豊橋行きです。東北線は北上(22:55着)が限界。盛岡には1日では到達できません。奥羽線は新庄(22:42着)、羽越線は村上(23:33着)が限界駅です。支線では小牛田経由で鳴子温泉(22:31着)、米沢経由で小国(22:01着)、会津若松経由で会津川口(21:33着)が限界駅です。

新潟、仙台までは十分到達可能で、ダイヤ改正による限界駅の変化はありません。

西方面の始発は5時37分発の東海道線大垣行きです。旧ダイヤと比べると、福山~白市間で減便の影響が出て、小倉に19:40着と、旧ダイヤ(19:11着)に比べて約30分遅くなってしまいます。

そのまま鹿児島線をたどると、熊本23:52発八代行きに乗った後、富合(00:02着)で日付が変わります。ダイヤ改正前までは八代までたどり着けたので(23:42着)、少し後退してしまいました。

長崎線は、肥前浜(23:18着)が限界で、ダイヤ改正前と変わりません。佐世保線は、早岐23:29着が限界で、旧ダイヤの佐世保(00:02着)よりやや後退。旧ダイヤで肥前山口発佐世保行きの最終列車が、新ダイヤでは早岐で打ち切りになったためです。

豊肥線方面は南熊本(00:00着)が限界で、旧ダイヤの肥後大津(23:39着)より後退。日豊線は宇佐(21:26着)までで、旧ダイヤと変わりありません。

九州の県庁所在地では、名古屋から1日で行けるのは福岡、熊本、佐賀のみです。

四国は予讃線は宇和島まで(21:56着)。土讃線は窪川(21:27着)までで変化なし。牟岐線は阿波海南(17:51着)までです。牟岐線は以前は海部まで行けましたが、阿波海南~海部間がDMV運行のため阿佐海岸鉄道に譲渡されたため、青春18きっぷでは阿波海南が限界駅となります。

四国は予土線を除く全区間で、名古屋から青春18きっぷ1日分で到達できます。

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大阪発

最後に大阪発。東方面の始発はJR京都線5時発の京都行き。北は東北線の石越(23:48着)が限界で、手前にある仙台は1日で到達できます。奥羽線は天童(23:59着)まで、信越線は新津(00:01着)までで、惜しくも新潟には届きません。

磐越西線は福島経由で野沢(21:52着)まで、只見線は会津川口まで(23:31着)。会津若松も1日到達圏です。高崎経由で柏崎(23:50着)には届きますが、直江津へは青春18きっぷ1日分ではいけません。大阪発の東方面に到達地点の変化はありません。

西方面の始発はJR神戸線5時発の西明石行き。鹿児島線は八代(21:55着)まで、豊肥線は熊本経由で宮地(23:53着)までです。長崎線方面は長崎(23:12着)まで、佐世保線は佐世保(22:27着)まで、それぞれ到着でき、旧ダイヤと変わりありません。なお、長崎へは大村線経由で、肥前鹿島経由では肥前大浦(21:10着)が限界駅です。

日豊線は佐伯(23:43着)まで届き、大分経由の豊肥線は豊後竹田(23:28着)まで行くことができます。九州の県庁所在地では、鹿児島、宮崎が大阪からの1日到達圏外です。

四国は予土線の窪川~江川崎間を除き、全線が大阪から1日到達圏です。これも変化ありません。

大きな変化はなく

総じて見ると、「減量ダイヤ」と呼ばれた新ダイヤでも、青春18きっぷ1枚でで到達できる駅に大きな変化はありませんでした。普通列車による長距離移動で、減便による影響が最も大きかったのが山陽本線のようですが、それでも主要駅出発で見た場合、限界駅にあまり変化はありませんでした。

2021年春の青春18きっぷの有効期間は、3月1日~4月10日、価格は5日分で12,050円です。1日あたりで2,410円で上記のような長距離旅行が可能です。格安旅行の魅力は健在、というところでしょうか。(鎌倉淳)

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