青春18きっぷに「北陸特例」が誕生することが明らかになりました。JRが発表しました。特例区間は「金沢~津幡」と「富山~高岡」の2区間です。いずれも、JRの枝線への直通列車が走行する区間です。
あわせて、2015年の青春18きっぷの発売期間・利用期間も発表されました。期間に関しては2014年と変わりなく、価格も同じで、11,850円です。
信越本線と北陸本線が第三セクター移管
2015年3月14日の北陸新幹線開業により、信越本線の長野~直江津間と、北陸本線の金沢~直江津間が第三セクターに移管されます。それにより、青春18きっぷでこの区間を利用することはできなくなります。
しかし、北陸本線の第三セクター化により、JR七尾線、城端線、氷見線が他のJR在来線と接続しなくなります。そのため、これらの路線の利用者の便を図るために特例が作られ、第三セクター線の一部が青春18きっぷで利用可能になるのでは、という観測はかねてからありました。当サイトでも、2014年7月31日付けで「青春18きっぷに北陸特例はできるか?」という記事を掲載しています。
七尾線、城端線直通区間のみ設定
今回できた特例は、「金沢~津幡間、または富山~高岡間で普通・快速列車に乗車して通過利用する場合に限り、別途乗車券は不要」というルールです。金沢から七尾線へは直通列車が運転されますし、富山からは城端線への直通列車が運転されます。つまり、直通列車が走る区間について、青春18きっぷで利用できる形となりました。
青春18きっぷのこうした特例は、「青森特例」に次いで2つ目です。青森特例では、JR東北本線の八戸~青森間が第三セクター化された際に、他のJR在来線との接続がなくなった大湊線・八戸線への利用者の便を図るため、青森~野辺地~八戸間のみ、第三セクター線が青春18きっぷで利用できるようになりました。こちらも、直通列車が設定されている区間です。
JR全線にアクセスできる体裁
北陸特例ができた背景には、青春18きっぷのみで全てのJR在来線にアクセスできる形を残すという目的があるとみられます。また、金沢駅や富山駅で改札口をJRと三セクが共有する点も理由の一つでしょう。JR直通列車が設定された区間で、改札口もJRと共有した場合、三セク会社が青春18きっぷの利用者から適正に運賃を収受するためには車内検札の手間がかかります。それを避けるためです。
いっぽう、信越本線ではいっさい特例の設定はありませんでした。信越・北陸エリアのほとんどの区間で青春18きっぷが使えなくなる、という点においては、予想通りといえます。
2015年の青春18きっぷの利用期間・発売期間
■春季
発売期間 2月20日~3月31日
利用期間 3月1日~4月10日
■夏季
発売期間 7月1日~8月31日
利用期間 7月20日~9月10日
■冬季
発売期間 12月1日~12月31日
利用期間 12月10日~1月10日