山陽新幹線の「こだま」号車両の一部が改良され、4列シートが増加することになりました。JR西日本が発表しました。
山陽新幹線の「こだま」号には、主にN700系(8両)、700系(8両)、500系(8両)の3種の車種で運行されています。車種によって設備が異なり、N700系、700系車両では4~8号車の5両が4列シートなのに対し、500系車両では、6号車のみが4列シートとなっていました。
今回の改良工事で、500系「こだま」号の4列シート車両が4号車から6号車にまで拡充されます。全8編成の改造工事が順次進められていて、2013年12月19日以降は全ての500系「こだま」号が改良後の編成での運行となる予定です。
山陽新幹線の「こだま」号では、指定席は4列シートが原則です。そのためこれまでは500系「こだま」は指定席1両の運行でしたが、改良後は指定席を最大3両に増やすことができます。
背景には、山陽新幹線「こだま」号の指定席車両の利用増加があります。2008年度と2012年度を比較すると、「こだま」号の利用は約1.5倍に、特に指定席の利用は約3倍に増えています。2013年度に入っても利用は増加していて、10月末の時点で2012年度と比較して111%の利用(うち指定席は127%)となっています。
最近は、「こだま指定席往復きっぷ」や「こだま早特往復きっぷ」といったJRの割引きっぷが拡充されていることにくわえ、「バリ得こだま」といった激安のツアー商品も登場。それが「こだま」指定席車両の増加を促していると見られます。
山陽新幹線「こだま」の4列シート車両の座席は、700系の「ひかりレールスター」車両の指定席シートと同じものを使用していて、座席幅や座面の奥行きが広くなっています。そのため、利用者には根強い人気があります。
少し前まで、山陽新幹線の「こだま」号といえば、いつも「ガラガラ」のイメージがありました。適切な割引きっぷを提供すれば、確実に利用者を掘り起こせることを証明したといえるかもしれません。