三宮といえば神戸の中心地。ただ、昔に比べると、最近はやや寂れ気味。三宮センター街を歩いてみると、十数年前の繁栄が嘘のように閑散としていることもあります。その三宮の再開発がようやく動きはじめました。
まず、JR三ノ宮駅の駅ビル「三宮センタービル」の建て替え方針が決まりました。現在のビルは地上11階、地下2階で、主にホテルと商業施設が入居していますが、新しい駅ビルはオフィスも入居する高層ビルになる計画です。
JR三ノ宮駅に隣接する阪急三宮駅でも、阪急電鉄が「神戸阪急ビル東館」(地下1階、地上3階)を建て替える方針を固めています。このビルは震災で半壊し、その後仮設で営業を続けてきました。新しいビルは三宮ターミナルビル同様、高層ビルになる見通しで、神戸市と高さや外観などについて協議を始めています。
この2つの高層駅ビルが完成すれば、三宮駅周辺の景観は一変するでしょう。両駅をつなぐコンコースなどが整備されれば、駅の南北の回遊性は高まると期待されます。ただ、どちらも完成時期はまだはっきりせず、早くても2018年~2020年ごろになるとみられます。
そして、三宮を歩いていて気になるのは、三宮センター街周辺です。三宮センター街と並行する大型商業施設には「さんプラザ」「センタープラザ」「センタープラザ西館」があり、いずれも1970年前後に完成しました。市の再開発事業として建設されたもので、今も市の外郭団体が管理しますが、設備の老朽化が目立っています。建て替えはこれまでも議論されてきましたが、大きな進展はないようです。
背景には、複雑な権利関係があります。これらのビルの建物は区分所有であり、建て替えには約400人に上る区分所有者の5分の4の同意が必要になります。考えただけでも気が遠くなる作業で、ビルの耐久性が維持されている間は、建て替えは困難といえるかもしれません。
いっぽう、建て替えの進んでいるビルもあります。JR三ノ宮駅から国道2号を挟んで向かい側、そごうの東隣でもビルを建替中です。「三宮ビルディング北館」で、完成すれば地上13階、地下2階になります。2015年9月に完成予定で、P&Gジャパンが入居する予定だとか。
再開発ばかりが良いとは限りませんが、三ノ宮駅周辺はそろそろ大きな変化があっていい頃合と思われます。新しい計画に期待したいものです。