JR留萌線の留萌~増毛間の廃止日は2016年12月5日に決定。95年の歴史に幕

留萌線の留萌~増毛間(16.7km)の廃止が決まりました。JR北海道が2016年度中の廃止を提案していましたが、これについて、北海道増毛町が同意しました。最終運転日は2016年12月4日で、12月5日が廃止日となります。

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JRが「条件上積み」し廃止合意

留萌線の留萌~増毛間については、JR北海道は2015年8月、地元自治体に廃止の意向を伝えています。ただ、廃止時期や、代替交通への費用負担を巡って交渉が難航していました。

これについて、増毛町の堀雅志町長は、交渉によって「上積みがあった」として、廃止を受け入れたとのこと。JR側は廃止時期をこれまで11月末としていましたが、12月4日まで先延ばしし、増毛町駅周辺の整備費用を計1億円から1億3000万円に増額。早朝、夜間の代替交通の10年分の運転経費計5,000万円を負担する方針も示したそうです。

さらに、増毛駅舎・ホームなどの鉄道設備と駅周辺の鉄道用地約8,000平方メートルを無償譲渡し、通勤定期利用者に1年間、通学定期利用者には在学中、バス定期運賃との差額を補償するとのことです。

堀町長は、4月8日に開かれた増毛町議会の全員協議会で、廃止同意について説明しました。もうひとつの沿線自治体である留萌市も4月中には意向を示す見通しですが、高橋定敏市長は廃止に理解を示しており、結論は変わらないとみられます。

留萌線

急行列車が走っていた時期も

留萌本線留萌~増毛間の開業は1921年11月。1960年~70年代には急行「ましけ」も走行するなど、文字通り「幹線」としての役割を果たしましたが、近年は利用者が低迷。冬季は運休も多くなっていました。

現在も、雪崩の危険があるとして、2016年2月12日より運休中。雪解けとともに運行再開するとみられ、多くの鉄道ファンが「お別れ乗車」に訪れそうです。廃止されれば、開業95年の歴史に幕を閉じることになります。(鎌倉淳)

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