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北海道クルーズトレインはローカル線を救うか。「ザ・ロイヤルエクスプレス」の概要発表

道東をぐるり一周

JR北海道と東京急行電鉄は、観光列車「THE ROYAL EXPRESS」(ザ・ロイヤルエクスプレス)を使用した北海道クルーズトレインの概要を発表しました。北海道に初投入される豪華列車は、ローカル線の救世主となるのでしょうか。

水戸岡デザインの豪華列車

「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、主に横浜~伊豆急下田間で運転されている豪華観光列車です。伊豆急行2100系「アルファ・リゾート21」を改造した8両編成で、定員は約100名。水戸岡鋭治氏が車両デザインを手がけました。

この「ザ・ロイヤルエクスプレス」を北海道で走らせるプロジェクトが、「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」(以下、ロイヤルエクスプレス北海道クルーズ)です。このほど、その概要が発表されました。

ロイヤルエクスプレス北海道クルーズ
画像:東急電鉄、JR北海道

「ゆうマニ」を連結

まず、「ザ・ロイヤルエクスプレス」は直流電車ですが、北海道に直流電化区間はないため、自力走行はできませんし、単独では車内に電気も供給できません。

そのため、ロイヤルエクスプレス北海道クルーズでは、電源車を連結します。この電源車はJR東日本が所有していた「マニ50 2186」。近年はジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」に連結して使われていたため、「ゆうマニ」とも呼ばれています。

「リゾートエクスプレスゆう」は2018年9月に廃車となり、余った「ゆうマニ」が東急電鉄に譲渡されました。

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DE10がオレンジの重連に

この電源車と「ザ・ロイヤルエクスプレス」8両をディーゼル機関車が重連で牽引します。ディーゼル機関車はJR北海道所有のDE10とみられ、水戸岡デザインにより「北海道の力強く明るく元気な太陽の色・収穫の色」をイメージした橙・オレンジの塗装になります。

また、「ゆうマニ」は、「ザ・ロイヤルエクスプレス」のロイヤルブルーとDE10のオレンジを「粋につなぐ色」として、白・ホワイトがメインカラーとなります。

一部の駅では、旅を彩る演出としての装飾も行う予定で、これも水戸岡氏が担当します。

ロイヤルエクスプレス北海道クルーズすぷれ
画像:東急電鉄、JR北海道

北海道クルーズの日程

「ロイヤルエクスプレス北海道クルーズ」の運転時期は、2020年8月。約1カ月間で4回程度、金曜日から月曜日まで3泊4日のクルーズを催行します。

日程は以下の通りです。

▽1日目
札幌駅~千歳線・石勝線・根室線~池田駅。十勝エリアで宿泊。
▽2日目
釧路駅~釧網線~知床斜里駅。知床エリアで宿泊。
▽3日目
知床斜里駅~釧網線・石北線~旭川駅。富良野エリアで宿泊。
▽4日目
旭川駅~函館線~札幌駅。

道東をぐるりと鉄道で一周する、いわば「定番ルート」をたどります。「ザ・ロイヤルエクスプレス」には寝台設備がないため、3泊とも宿泊施設を使います。

ロイヤルエクスプレス概要
画像:東急電鉄、JR北海道

起爆剤になるか

「ロイヤルエクスプレス北海道クルーズ」の発売時期は2020年2月を予定しています。団体列車として運行されるため、駅窓口などでの一般発売はなさそうです。旅行代金については未発表です。

JR北海道は、ローカル線の利用者減少に苦しんでおり、「クルーズトレイン」は集客の有力策の一つとして期待されています。今回のルートには、JR北海道が「単独で維持困難」としている釧網線や石北線を経由することもあり、ローカル線を活用する試金石となります。

クルーズトレインだけで、ローカル線の収支を劇的に好転できるだけの力はないでしょう。それでも、「ロイヤルエクスプレス北海道クルーズ」が、ローカル線の存在価値を再認識させる起爆剤の役割くらいは担えるかもしれません。注目したいところです。(鎌倉淳)