2021年春に開業する小田急の「ロマンスカーミュージアム」について、展示内容の概要が発表されました。歴代ロマンスカーなどの実車を展示します。
民鉄最大規模の鉄道博物館
「ロマンスカーミュージアム」は、小田急線海老名駅の隣接地に、小田急電鉄が建設しているものです。開業予定は2021年春とされてきましたが、このほど、2021年4月中旬に決定したと発表されました。小田急初の屋内常設展示施設です。
施設は、小田急海老名電車基地とエリア開発が進む「ViNA GARDENS」とも隣接します。建物は鉄骨造2階建てで、敷地面積が約4,000平米、建物面積が約4,400平米です。
東武博物館が3,955平米、地下鉄博物館が3,535平米の建物面積ですので、ロマンスカーミュージアムは、民鉄の鉄道博物館施設として最大規模となります。
ロマンスカー10両を展示
展示内容は、1階が「ヒストリーシアター」と「ロマンスカーギャラリー」です。
ヒストリーシアターでは、小田急線開業当時の車両であるモハ1を展示するほか、小田急やロマンスカーの歴史を凝縮したショートムービーを放映します。
ロマンスカーギャラリーでは、ロマンスカーの実車10両を展示。一部の車両では乗車も可能です。展示車両は以下の通りです。
SE 3000形=3両
NSE 3100形=3両
LSE 7000形=1両
HiSE 10000形=1両
RSE 20000形=2両
ジオラマは複々線を再現
2階は、「ジオラマパーク」「キッズロマンスカーパーク」のほか、ミュージアムショップやカフェが入ります。
ジオラマパークは、小田急沿線を模した巨大ジオラマを展示します。おもにHOゲージを使用し、ジオラマの規模は国内最大級。小田急自慢の複々線や、小田急沿線の観光地である箱根・江の島・大山までの風景を再現します。
ジオラマの背景はスクリーンとなっていて、ジオラマ上の列車の動きにあわせて映像やライティングが変わります。ジオラマを上から俯瞰できるデッキ「ジオラマビューテラス」も設置します。
子どものための空間
キッズロマンスカーパークは、ロマンスカーをテーマにした、 子どものための空間です。木作りのロマンスカーが設置され、中に入り込んで遊べる作りに。
パークの中心には、紙でつくられた街が広がり、子どもたちがそれぞれペーパートレインを走らせることができます。そのほか、感覚的に楽しめるインタラクティブ型のデジタルコンテンツが楽しめます。
本物を使ったシミュレーター
パークでは、ロマンスカーの電車運転シミュレーターも目玉です。LSEの実際の運転台を活用したシミュレーターで、本物の運転操作機器をそのまま活用した本格仕様です。
小田急で実際にLSEを運転していた運転士のテストを踏まえ、 リアルさを追求。LSEの運転席は高い位置にありますが、そこから見た運転風景も再現されています。
「TRAINS」が出店
ミュージアムショップとしては、小田急グッズショップ「TRAINS(トレインズ)」が出店します。新宿店や和泉多摩川店では発売しない、ミュージアム限定商品も発売される予定です。
カフェはペデストリアンデッキに面し、ロマンスカーミュージアムへ入館しなくても入ることができます。ロマンスカーや小田急沿線にちなんだメニューを用意します。
屋上からの展望も見どころ
屋上は「ステーションビューテラス」となり、海老名駅や海老名電車基地を行き交う電車が一望できるようになります。屋上テラスからの展望も見どころになりそうです。
ミュージアム内には、多目的トイレや授乳室、 ベビーカー置き場などを設置。幼児連れのファミリーが利用しやすいように配慮します。
開業日や営業案内などの詳細は未定ですが、来年のゴールデンウィークには、海老名駅前で民鉄最大の鉄道博物館が開館するわけで、おおいに楽しみです。(鎌倉淳)