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陸羽西線「ミニ新幹線化」構想が再浮上。山形新幹線庄内延伸は実現するか

知事も前向き答弁で

JR陸羽西線が2026年1月16日、3年8ヶ月ぶりに運行を再開しました。地元では山形新幹線の庄内延伸として、陸羽西線のミニ新幹線化を推進する動きが再浮上しています。知事も議会で前向きな答弁をしていますが、実現可能性はあるのでしょうか。

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3年9ヶ月ぶり運転再開

JR陸羽西線は、山形県の新庄~余目間43.0kmを結ぶローカル線です。並行する山形県内の国道47号「高屋道路」のトンネル建設工事で2022年5月から全線で運休していました。

掘削工事は2025年8月に完了。これを受け、JR東日本は2026年1月16日に列車の運転を再開しました。運転再開は約3年8か月ぶりです。

ただ、利用者の少ない羽前前波、高屋の両駅は全列車通過となり、JRは今後、廃止に向けた検討を進めます。

陸羽西線

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知事が前向き発言

陸羽西線の運行再開とともに浮上してきたのが、ミニ新幹線化構想です。陸羽西線をミニ新幹線化することで、新庄が終点の山形新幹線を、余目や酒田といった庄内地方まで延伸するものです。

2025年6月23日の山形県議会で、吉村美栄子知事は「山形新幹線の庄内延伸が実現すれば、庄内~東京間が乗換えなしで結ばれるとともに、県の内陸地域と庄内地域が新幹線でつながる」などと述べ、実現に前向きな姿勢を見せました。

2025年12月8日には、庄内、最上両地域の全市町村長と酒田、鶴岡、新庄の3商工会議所会頭が連名で、庄内延伸へ向けた調査を早期に実施するよう求める要望書を知事に提出。建設運動が動き出しました。

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過去にも議論

山形新幹線の庄内延伸については過去にも議論されたことがあります。20年前の2006年には、羽越本線の高速化と比較して、どちらが優位か、山形県が実際に調査もおこないました。

このときは、「費用対効果で、山形新幹線庄内延伸より羽越本線高速化が優位」という結論が出て、羽越本線の利便性向上策がおこなわれることになり、陸羽西線のミニ新幹線化構想は棚上げとなっています。

しかし、最近になり、再び盛り上がりの気配が出てきたわけです。

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米沢トンネル計画の影響で

背景として、山形新幹線の米沢トンネル計画の進捗があります。米沢トンネルは奥羽線(山形新幹線)の庭坂~米沢間で計画しているもので、完成すれば東京~新庄間が約10分短縮されます。JR東日本と山形県などが、建設に向けた具体的な協議を開始しています。

6月議会で知事は、「山形新幹線の庄内延伸が実現すれば、米沢トンネル整備の効果をより一層、庄内地域にも及ぼすことが可能になる」とも言及しています。

この発言は、庄内延伸との相乗効果で米沢トンネル計画の便益を高める狙いがあるとみられます。山形新幹線の庄内延伸を将来計画に据えることで、米沢トンネル整備の費用便益比が高まる、ということです。

見方を変えれば、米沢トンネルを公共事業として成立させやすくするために、山形新幹線の庄内延伸構想が必要ということかもしれません。

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国の政策にも変化

米沢トンネルの開通により、東京~新庄間の所要時間が短くなれば、陸羽西線のミニ新幹線化の価値が高まるのは事実でしょう。

また、国の政策にも変化があり、ミニ新幹線の整備推進に向け動き始めています。国土交通省は幹線鉄道ネットワークについて新たな方向性の検討をしており、ミニ新幹線の整備を選択肢の一つに盛り込みました。

「棚上げ」となった20年前とは状況が変わっているのです。そのため、山形新幹線の庄内延伸運動が、意外と本格化する可能性もありそうです。(鎌倉淳)

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